第4章 3杯目
流石に一晩あけたら、みんな探してくれるだろうし。
まぁ、最悪二、三日くらいなら、何も食べなくてもいいだろうし。
………って、それでも、探してくれなかったらどうしよう。
本当はここtwstの世界じゃなかったらどうしよう。
私の世界とも急につながったんだし、更に異世界に連れてかれてたらどうしよう。
段々と暗くなってくる辺りに、嫌な妄想しか浮かばない
せめて、バルガスキャンプの時みたいに、動具があったら別だけど。
せめて、最後にケイト先輩を目に焼き付けてからなら、未練などないのに。
激辛ラーメン食べる先輩が見たい。
それじゃなかったら、
前髪を解いてそれを耳にかける、どセクシーな先輩をこっそり覗き見て【覗き見なんて、悪いコ】って、私の気配だけをかんじて、流し目で軽くファンサービス貰えたら、今世はもう未練なんてないに等しいのに。
っていかんいかん、これそう言う話じゃないから。
「死ぬまでに、ケイト先輩に会いたいよぉ」
まぁでも、ゴーストになっちゃったら、ケイト先輩守護るしかなくない?
そしたら、ある意味ずっとついてられる?
…仕方ない、そうしよう。
意を決して、目を閉じる。
諦めが肝心って言うし、
主人公特典で生き返りあるかもしれないし。
目を閉じていると、
不思議なもんで段々と眠くなってきて、
次に意識が浮上したのは、
体に感じる浮遊感に、ついに迎えが来たのかと思った時。
天使は自分の推しの顔に見えるって、なんかで読んだ。
なら、
せめて、
メイドの土産にケイト先輩の顔の天使(確信)を、目に焼き付けてから行こう。
と、ゆっくりと目を開ける。
目に入ったのは、見慣れた寮服。
真っ白サラサラな髪。
まぁ、天使って髪真っ白だよね(偏見)
ベスト、緑色だけど。
配色セベクだけど。
『貴様!さっきの絵はなんだ!若様はもっと気高く、お美しい!
それを、あんなずんぐりむっくりに描くとは!無礼であるぞ』
セベクの声が頭に響いたお陰で、我に帰る。
だけど、きっとセベクは、ずんぐりむっくりなんて言わない。
目の前の彼は、もっと言わない。
…エペルは言いそう(独断と偏見)。