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オニオンスープ

第4章 3杯目


 『3杯目』 
 
 迷子になってしまったグリムの捜索を始めたのは、数時間前。

 エースもデュースも部活だし、
 そろそろ本当にハーネスの迷子紐導入しようかな。

 「グリムー、どこに行ったのー?」

 その辺の枝や石を踏み、途中コケそうになりながら奥へと進む。
 いっそのこと、異世界特典で転移魔法でも使えればいいのに。 

 そろそろ、足が疲れてきた。

 一休みでもしようかと思っていた時に、随分奥まできてしまったんだと、我に帰る。

 ……………って言うかそもそも、ここどこだ?

 ミイラ取りがミイラになるっていうのは、多分今の私のことで。

 こういう時に、携帯の充電が切れてるっていうのは、よくある小説であれば定石である。

 「まぁ、私、優秀なんで」

 そんなオチはないんだけど。
 と、強がりつつも、ばっちり溜まった充電に、安堵する。

 電波は、つながったり切れたりを繰り返しているけど。
 一応メール入れておこう。

 送信できませんの表示に、だろうなと冷静な自分。
 無闇矢鱈に動かない方がいいと判断し、

 …というより疲れたし、
 日暮れまではまだあるし、
 一旦座ろう。

 大きな木のたもと。
 仕方ないからと手元にあった小枝を使って、魔法陣を描く。

 もちろんコレは、私が魔法を使えないからこその、人目がないからする最高の暇つぶしである。
 別名、厨二ごっことも言う。

 こんな事をしていたらいつか本当に魔力が宿って、誰か1人くらい召喚されてくれないだろうか。

 まじめに授業受けてるんだから、一回くらい、魔法使えてもいいのに。

 思ったところで、私はこの世界の住人ではないし。

 と、冷静になっている自分もいる。
 それなら、召喚されて来れそうな人を想像しよう。

 誰がいいかな。

 この迷子の状況で、確実に助けてくれそうな人。

 浮かんだのはジャックと、デュースの顔。
 あの2人が1番、見返りがなさそうだし。

 「足疲れたし、ジャックかなぁ」

 大きな耳の、ジャックの似顔絵を描く。
 あんまり似てない。

 「レオナ先輩でもいいな。箒、乗せてくれそうだし。
 ラギー先輩は、マドル払わないとやってくれなさそう。」

 …ラギー先輩はなかなか可愛く描けた。
 レオナ先輩は…まぁ、目の下に傷があれば合格。

 「オクタは論外」
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