第3章 2杯目
あの後、私は定時になって上がったからどうなったのか分からない。
でも、翌日に、たまたま会ったアズール先輩に2人のことを聞くと、無事に仲直りは出来たらしい。
テラリウムとキノコについては…。
しかし、賄いについて、ほとんど食べ尽くしてしまったフロイド先輩と、それについてジェイド先輩は、また兄弟喧嘩を勃発させたようだった。
そんなに美味しかったならよかったけど、アズール先輩の胃に穴が開かないことだけを祈った。
「あの2人は食べたようですけど、寮長の僕はあのスープ飲めなかったんですよね。僕が提案したのに」
わざとらしく言ったアズール先輩に苦笑いをうかべる。
「今度、また作りますよ」
「えぇ、ぜひ」
私の返事にニコッと笑って、2年生の教室に向かったアズール先輩。
アズール先輩の前に、私の胃に穴が開きそうだ。
「はぁ」
「ため息ついて、どーしたの?」
「ケイト先輩」
「ヤッホー」
「どうしたんですか?」
その後ろからきたのは、マブ達と、馴染みのある先輩。
「ダイヤモンド先輩!」
「ケイト先輩」
「オレもいるんだがな」
「クローバー先輩も、ちわっす」
「そっか、合同授業っすもんね!」
エースの言葉に私も、なるほどと思い出す。
ケイト先輩見ただけで、キリキリとした胃の痛みが引く。
「ケイト先輩、オレと組みましょうよ〜」
にや〜っと、こっちを見てアピールしてくる馬鹿エース。
「なら、俺はクローバー先輩お願いします!!」
「え?!マブ達ずるくない?そうやって仲い先輩達早い者勝ちすんのずるくない?」
その時ぐいっと首を絞められる。
もふもふ先輩…
「え?!レオナくん?!監督生ちゃん!?」
「はは。レオナも積極的だなぁ」
俵担ぎをされた私向けられたマブ達の、冷ややかな目。
私絶対ゆるさないから。