第4章 社会人場地さん×長編年上ヒロイン
私の幼馴染みの名前を出した途端、不満げに細められた圭介の瞳。何かと聞き返す暇もなく、圭介のモノで一気に貫かれた私は背中を大きく反らせながらその刺激だけでイッてしまった。くたりと力の抜けた体をベッドに横たわらせながら圭介の方を見やると、口をへの字に曲げながら眉間にシワを寄せていた。
これはまずった……と思うも言ってしまったものはどうしようもない。私の失言が消せるわけでもないので、ここはおとなしく謝って圭介のご機嫌をとる方が賢明かもしれない。そう思って口を開いた私から出てきた言葉は……ただの嬌声へと成り果ててしまったのだけれど。
「ぉあ"、あッ!」
バチュバチュと肌と肌がぶつかる音が響き渡る中、性急な動きに体も脳もついていかず、何事かと訳もわからず両手を伸ばせば圭介が彼自身の首元に私の手を誘導してくれた。すがるようにしがみつくと、触れ合うだけの口づけを何度か交わす。私をこんな風にしているのは圭介のはずなのに、私が今の状況をどうにかしてほしいとすがる相手も彼だなんて……何と言う皮肉なのだろうか。
「セックスの最中に他の男の名前呼んでンじゃねェよ」
「おっ、あ! ごめ、ん!」
「俺の名前だけ呼んでればいいはずだろ? なア?」
「あ"あっ!」
「子宮潰れるくらい犯してやるから、覚悟しろよ。一日に二回も嫉妬させたちゃんが悪ィんだから、なッ!」
硬くなった先っぽで、圭介以外誰も触ることのできない私の奥の口をぐりぐりと潰すようにこねられ、快感を堪えるように背中を丸めてその場をなんとかやり過ごす。目の前がチカチカするほどの刺激に息を吸うことすらままならない私は、酸素の回らない頭でただ快楽に溺れていく今の状況に漠然と怖さを感じていた。圭介から与えられるこの暴力的なまでの悦楽はいったいいつ終わるのだろう、と。
初めて体を重ねたときから思っていたのだが、この人の体力はもはやバケモノ。文字通り抱き潰されたことが何度もある身としては、いかに次の日に支障をきたさないようにするか、というのはとても大事なのだ。……まあ、これも今となっては後の祭りなのだけれど。こうなった圭介を止める術を私は知らないのだから。