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【R18短編集】場地圭介との性活【東リベ】

第4章 社会人場地さん×長編年上ヒロイン


 じとっと見つめていると頭の下に圭介の逞しい腕が差し込まれ、退いてと言わんばかりに私をベッドの端へと追いやってくる。彼が入れるスペースを少し開けてあげると、そこへするりと潜り込んだ圭介は割りと強めの力でぎゅうぎゅう抱き締めてきた。……どこかの間接がパキッて鳴った気がする……力強すぎ……。

「迎えに行ったとき、お持ち帰りされるンじゃねーかってヒヤヒヤした」
「う……それは、ごめん」
「あんま不安にさせんなよ。本気で好きだから──加減できなくなる」

 そのあと「無理させてごめんな」と呟いた彼の双眸に何とも言えない表情をした私が映りこむ。申し訳なさそうな、でも嬉しそうでむず痒そうな、一言では言い表せられないような私。
 私も悪かったし……と、おずおずと彼の背中に腕を回して少しだけ力を込める。なんとなくごめんねって言いづらくて逞しい胸板に顔をぐりぐりと擦り付けた。

「なーちゃん」
「ん?」
「明日の朝、卵焼き食いてえ」
「お。焼いてくれるの?」
「ちゃんが作った卵焼きが食いてェの」
「腰が痛くなかったらね」
「……痛かったら?」
「自分で卵焼き作って、私の面倒を甲斐甲斐しく一日見なさい」
「……女王サマ」

 むすりと口をへの字に曲げた圭介は何か言いたげに私を見ているけど私が動けなくなったとしたら、その理由はひとつしかないのだから。それこそお姫さまのように扱っていただきたいものだ。
 そんな気持ちとは裏腹にこの大きなワンちゃんを構ってあげたいと思うのも事実で……「朝無理なら夜に作ってあげる」と伝えれば「え? マジ?」と嬉しそうに声をあげるものだから瞬時に絆されてしまう。無自覚なところがまた怖いんだけれどね。

「その代わり味噌汁は圭介が作ってよね」
「おう、任せろ」
「圭介の作った味噌汁、毎日の飲みたい」
「別で住んでんだから無理だろ」
「……ハアアア」
「ハ? 何そのクソデカため息」

 誰かこいつの頭に検索サイト埋め込んでやってくれ。

「……千冬さんにでも聞いてみたら」

 彼が私の言葉の真意を知るのはいつになることやら。



END
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