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【R18短編集】場地圭介との性活【東リベ】

第4章 社会人場地さん×長編年上ヒロイン


「期待裏切らなさすぎて逆に笑えるワ」
「──け、いすけ?」
「何やってンだよ」

 その何やってンだよ、は彼に対してなのか私に大してなのか、はたまた両方なのか。…両方だろうなあ……アハハ……。

「えっ、あんた誰?」
「ったく。何でこんなんなるまで飲んだんだよ、ちゃん」
「うう……面目ない……」
「ゲロ吐かなかっただけマシだけどな。さっさと帰るぞ」
「ッ、無視すんなよ!」

 大きい声を出さないでくれぇ……頭に響くぅ……。なんだなんだと周りに集まり始めた同級生たちの視線を感じながらどうしたものかと考え──る余裕ないわ、頭痛くて。

「俺が誰か、ンな重要?」
「……は?」
「酔っ払った他人のヨメに手ェ出そうとしてたヤツがいるってことの方が──重要じゃね?」
「っな!」
「なあ? 元カレさん」

 威圧感たっぷりな私の今カレは、私の元カレをあからさまに見下した眼差しで睨み付けている。いや、怖いよ。顔怖すぎるよ。元ヤンキー恐るべし。
 やってることは完全に柳下が悪いんだけど……蛇に睨まれた蛙状態の柳下が可哀想すぎて、いたたまれなくなってきた。そんじょそこらの男じゃこの猛獣に敵うわけないのよ。すぐ噛みついて喉元引きちぎるんだから。

「てか、ほんとちゃん男見る目無さすぎ。目ェ腐ってんだろ」
「ぐうの音も出ん……」
「はァ。手のかかるヨメだわ」

 そう言ったのとほぼ同時。ひょいっと米俵でも担ぐかのように私を持ち上げた圭介はすたすたと歩き始める。いや、ちょっと待て。この格好で運ばれるのはすこぶる恥ずかしいんですが。君には共感性羞恥というものがないのか。……あ、共感性羞恥なんて圭介は知らないか。なんて一人で自己完結してしまった私は圭介の肩の上でゆらゆら──うっ、ぎもぢわる。

「けすけ……揺れ……無理……吐く……」
「……ちゃん、当分は酒禁止な」

 大きなため息と共に、雑に抱えていた私の体をそっと地面に下ろしてくれる。消え入りそうな声でお礼を告げ、圭介にしっかりと支えられながらよたよたと夜道を歩く。歩幅を私に合わせて小さくゆっくりにしてくれていることに気づいて、胸のあたりがきゅんと高鳴るのを感じる。ああ、心配かけちゃったな。
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