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【R18短編集】場地圭介との性活【東リベ】

第3章 場地圭介(社会人)×千冬の親友ヒロイン(大学生)②


「けど──そんなちゃんにつけこんだ俺が一番クソヤローだ」

 抱き締める力がぐっと強くなったのを感じて、その事でずっと自己嫌悪してたんだな、っていうのが言葉がなくとも伝わってくる。私の肩に顔を埋めてぴくりとも動かなくなった場地くんは先ほどよりも小さな声でまた言葉を紡ぎ始めた。

「今日だって本当は、好きだって、ちゃんと伝えようと思ってた。のによ、いざちゃん目の前にすると……こないだのこともあって嫌われたんじゃないかとか、断られたらどうしようとか、嫌なことばっか頭よぎってひよっちまう。嫌われるくらいなら体だけの関係でもいいか、とか」
「……そんなこと思ってたの?」
「そんなことなんかじゃねェよ」
「私もね、場地くんに嫌われるんじゃないかなって心配してた」

 場地くんの手に自分の手を重ねれば、驚いたのか怖がったのか、ぴくりと少し反応した彼にどこかいとおしさを感じる。

「不感症かもって言ったのにあんなあられもない姿さらして、でもあの日のことが忘れられなくて場地くんのこと思いながら一人でシて。でも思うようにイけなくて……もう一度私に触ってくれないかなって毎晩のように場地くんのこと考えてた。でもこの事がバレたら嫌われるんだろうなーって」
「ちゃん……」
「本番はしてないにしろ、エッチしただけでこんなに気になっちゃうなんて、場地くんの言うように私って男の人を見る目がないみたい」

 へにょりと眉を下げながら困ったように笑えば、いつもは凛々しい場地くんの眉毛も今回ばかりは下を向いていた。「ほんと男見る目ねェな」なんて言いながらもほんの少し嬉しそうな声色をしていることに本人は気づいているのだろうか。

「でしょ?」
「こーんなダメな男にひっかかってるからな」
「自分で言う?」
「おー自覚はしてる。……なァ」
「うん?」
「好き。付き合いたい」

 付き合おうじゃなくて、付き合いたい。その言葉に私の気持ちを優先させてくれている優しささえ感じられる。あんなに嫌だって言っても手を止めてくれなかった強引な場地くんはどこへやら、私の様子を伺っている彼はご飯のおかわりを狙うワンちゃんのよう。
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