第3章 場地圭介(社会人)×千冬の親友ヒロイン(大学生)②
「図星だからってちゃんに手ぇあげンな。お前それでも男かよ」
「はなっ、離せ!」
「女の子には優しくしろって母ちゃんに言われなかったか? ア?」
「折れる! ──折れるッ!」
「テメーのオナホ代わりにしてんじゃねェぞ。クソ野郎」
地を這うような低い声で相手を脅した場地くんは、ただ今元ヤン全開だ。と言ってもすぐに殴ったりしなくなったことを思うと、彼もずいぶん大人にはなったと思うけど。そもそもの基準が低いだろうとか、そういうことは置いといて。
一通り脅し終わったのか、パッと元カレの腕を掴んでいた手を離した場地くん。その隙にと言わんばかりに私たちと距離を取った相手を見て、少しばかり同情が湧き出てくるのは仕方がないと思う。
だって相手があの元東京卍会一番隊隊長、場地圭介なのだから。この人たちが勝てる見込みなんて一ミクロンもない。
「こんないい女手放すなんて、どうかしてるワ。だってよォ」
私の肩を抱いていた手はするすると下に移動して私のお尻をゆっくりと、いやらしく、撫で回し始めた。
「ぁ、ちょ……!」
「フェラうまいし、一生懸命尽くしてくれるし」
「ば、場地くん!」
「喘ぎ声は可愛すぎて下半身にクるし、感度もいい」
思っても見ない言葉の羅列に顔に全部の体温が集まってきたんじゃなかいか、と思うくらい顔が暑くなる。この台詞がこの間のできごとから来るものだと言うことと、場地くんの手が私のお尻を好き勝手まさぐっているという事実に、私の体がピクリと反応してしまう。
「泣いて懇願する姿なんかたまんねェ。想像してみろよ」
頬を赤く染めて。
涙をためながら。
イかせて。
「って言うちゃんをよ」
「あっ」
きゅっと少し強くお尻を揉まれて、あられもない声が出てしまう。慌てて口を両手で塞ぐも後の祭り。一度溢れてしまった言の葉は落ち葉のようにひらひらと舞って、元に戻すことなどできはしない。
満足げに喉を鳴らした場地くんは私のおでこにちゅっとキスをしたあと、私の腰をぐいっと自分の方に抱き寄せた。場地くんはすこぶる楽しそうだけど、私はもう恥ずかしすぎて顔を上げることすらできない。