第9章 彼を知る人
「潜水艦、ポーラータング号だ。今はクルーと別行動してる」
「ふーん…??」
「この国に来たのは俺の用事だからな。クルーを巻き込むわけにいかないだろ。」
あぁ、なるほど。義理堅く仲間思いのこのキャプテンは仲間を巻き込まないように別行動していた訳か。
どうりでクルーが居ないわけだ。
「ふーん…」
「、俺の船はサニー号ってんだ!先にゾウに行ってる!すげぇ船なんだぞ!」
「サニー?可愛い名前。ゾウって?島の名前?」
割って入ってくるルフィさんの話に乗る。
サニーって可愛い響きだ。太陽?なのかな?
少なくともポーラータング号よりはなんか可愛い。
「…ゾウは、ミンク族の国だ。そこで会う約束をしてる」
「ミンク?ミンクって本で読んだことある!二足歩行の獣人みたいって書いてあった。凄い…本に書いてあることが本当にあるんだ!」
シーンと家が静かになる。
「??私変なこと言った?」
よく見ると、ルフィさんまで微妙そうな顔をしてる。
ロビンさんはちょっと涙ぐんでる。
「お前…本当に世間知らずなんだな。」
「???」
「あのな!本に書いてあったかもしれないけどこの海には魚人島もあるし空島もあるんだぞ!」
「え?嘘でしょ。本でもおとぎ話って書いてあったよ!」
シーンとする。
だからなにこの空気。
ローまで、可哀想なものを見る目で見てくる。
「そもそも新世界に来る時に通らなかったか?魚人島は…」
「…?あ、その頃あれかな。船の中の部屋から出して貰えなかった時期が…あったから…」
また、シーンとする。
なんならゾロさんまで目をそらすしウソップさんまでなんかすんごい言い表せない顔をしてる。
変なこと言ったかな…
「お前がドフラミンゴのヤローに監禁されてたのはよく分かった。」
「私やっぱり変なこと言ってるのかな…」
「あのね、…あなた、ドフラミンゴに酷い目に合わされてたって言う自覚はあるの?」
ロビンさんが私の手を握って聞いてくる。
「ん…うん。ある…やっぱり…変だよね。」
「そうね、普通の関係ではないことは確かだわ。」
分かってはいるけれど、人から言われるのはちょっと緊張してしまう。
やっぱりそうだよね、変だよね…と小さく声に出す。