第8章 見つめ直す過去
どれくらいの時間が経っただろうか、いつの間にか泣きじゃくっていた本人は眠ってしまったようだ。
「精神的ケアの本でも読むか…」
ひとり呟くと、を抱えてルフィ達のいる家に戻った。
「…」
ドアを開けると一斉にコチラに視線を向けられ、一瞬ひるむ。
すると、ロビンが毛布を渡してきた。
「眠っちゃったのね。変わりましょうか?」
「いや、いい。コイツはうちのクルーだ。おれが責任を持って面倒みる」
「なんだよぉー!やっぱりトラ男の船に乗るのか?」
「あぁ、残念だったな。麦わら屋。」
実は、ルフィもの事を勧誘するつもりだった。
だが、ローも譲らなかったのでジャンケンして船に誘う順番を決めたのだ。
ローが断られたらルフィが誘うつもりだった。
それは決して同情などではなく、純粋に仲間にしたいと思ったから。
部屋の隅に静かにを下ろして毛布をかけてやる。
本当は男ばかりがいるこの空間に連れてくるのはどうなのかとも思ったが、もう自分の船のクルーだ側に置いておきたい。
「あの時グーを出しときゃよかったなぁ…」
「今更だろ。諦めろ」
「くそぉー、トラ男ぉ…大事にしてやれよ?」
「言われなくても、クルーは大事にしてる。」
そう言っての方を見ると、毛布を手繰り寄せて小さく丸くなって眠っていた。
何度も夢を見る
ドフラミンゴに弄ばれる夢だ
それは淫夢というよりも悪夢だった
そしてそれは実体験が元となっていて痛みも苦しみもリアル感溢れるものだった
「【凪カーム】…」
小声で自身に触れて込み上げてくる吐き気を堪えながら外に出る
「(おぇ…)」
いつの間に寝ていたのか、外は夜だった。
何度かえずいた時に背中をさすられた。
びくりと肩を弾ませ振り返るとそこにはローがいた。
「能力使っても、横にいたんだ。気付く…声かけりゃいいだろ。」
「ごめん、いつもそうだったから」