第8章 見つめ直す過去
ローの手を取ったあと、2人は笑い合った。
「よろしく、船長?」
「うちはキャプテン呼びだ。」
「了解キャプテン。ありがとう。」
手を離した後、は手のひらを見つめた。
「私ね、16年アイツの所に居たでしょ?ファミリーではなかったんだよね…。物扱い…というか、おれの女扱いはされたことあるけど。」
「だろうな。そんなもんだと思うぞ。」
「そもそも、ファミリーの事軟禁はしないよね…」
16年、ドフラミンゴの所にいたが割と自由にしていたのはコラさんが居た時まででその後は軟禁に等しかった。
「軟禁…まぁ、アイツがやりそうな事だな。」
「ねぇ、キャプテン。私の13年間を打ち明けようか?」
「いや、いい。さっきベビー5が少し話していった。」
「そっか。…だから、麦わらさんは私を呼びに来たのかな。」
「同情か?しねぇだろ。麦わら屋はそんなヤツじゃない。お前の事を気に入ったって言ってたぞ。」
そんな気に入られる事したっけ??と考えるが、結局思いつかなかったので後で直接聞いてみようとあきらめた。
「あ、そうだ。私、ナギナギの実を食べたの…ごめん」
「なんで謝る…」
「だって、あれはコラさんのだから…」
ドフラミンゴやファミリーは知らなかったコラさんの能力。
私も、そして、ローも知っている。
「お前なら文句ねぇよ。しかし、良く手に入れられたな。」
「…名も無き海賊には悪いことしたわ…」
あれは、ドレスローザに来たばかりの頃…とある海賊がドフラミンゴに取り引きを持ちかけてきた。
悪魔の実と結構な額の取引だった。
悪魔の実はナギナギの実。
その実を食べると、無音人間になれる。
それは、偵察や潜入はたまた暗殺などに役に立つ。
それが本当ならドフラミンゴはヴェルゴに与えようと思っていた。
腹心の彼は海軍に潜入中なので役に立つだろうと。
しかし、その実を持ってきた海賊は取引の際に悪魔の実を持ってこなかった。しかも、わたわたするばかりでなんの説明にもならない。
ドフラミンゴとファミリーは、ナギナギの実は嘘でドフラミンゴに近づく為の嘘だったと結論づけ海賊は無惨にも消された。
「悪魔の実を横取りしたのか…」
「そう。言い訳もできないように-凪-カームをかけてね。絶対にドフラミンゴには渡したくなかったから。」