第8章 見つめ直す過去
「よぉ。」
入れ違う様に家からローが出て来た。
その顔は眉間に皺がよっていて、不満だと全面に出ている。
「ロー…」
何度も言うが、ローとは特に接点が無いに等しい。
16年前にファミリーに入ってから、しばらくした頃からローは将来ドフラミンゴの右腕になるべく厳しい特訓の日々だった。
かたや私はとくにやる事もなくのんびりとドフラミンゴや幹部の後ろでのほほんと過ごしていた。
ドフラミンゴが任務やなんやらで外出している時はコラさんに引っ付いていた。
でもローはコラさんとは犬猿だったのでここでも近付くことはなく。
それでもなぜか、2年半後にコラさんはローを連れて船を降りた。
そして、その半年後ドフラミンゴによってコラさんは居なくなり、ローは行方不明になった。
そして、つい2日前に再会した。
これには本当に驚いた。コラさんの事を忘れた日はなかったけれど、ローが生きているとは思って居なかった。
そんなローが今目の前にいる。
昔、私と背が変わらなかったのにいまでは頭2つ分ほど違う。
(私の身長が平均より低めなのはあるがローも大きい)
バツが悪そうな顔をして、あっちで話すかといって家から少し離れたところに座る。
私は隣に座れば良いのか向かいに座れば良いのか少し悩んで向かいに座った。
「…」
「…麦わらのルフィさんって良い人だね」
「あぁ」
沈黙に耐えられなくて取り敢えず、無難な会話を私から振ってみると短く答えが返ってくる。
「なんだか、言いたい事代わりに言ってもらっちゃったな。すっきりした。」
ドフラミンゴを倒したあの時、この国の人達の事を言っていたんだろうけど私の事でもあったから嬉しかった。
「息が詰まりそう…か。窮屈なのが当たり前すぎて息が詰まってたのにも気付かなかったな。」
「ねぇ、ロー?コラさんと旅した半年はどうだった?楽しかった?」
「…私も…一緒に行けばよかったな。」
コラさんはずっと心配していてくれたのに。
どうしても、ドフラミンゴから離れる覚悟が出来なかった。
コラさんは世界は広いから大丈夫だと言ってくれたのに、広い世界に尻込みしたのだ。
「ねぇ、ロー…世界は広いのかな?」
「チッ…やめた。」
ローは舌打ちをしてぐしゃぐしゃと頭をかく。