第6章 希望の光
「まいったな…」
せめて、手足が自由にならないと動けない。
いつまてまも建物の近くにいるわけにはいかない…ガレキが落ちてきて下敷きになるとかごめんだ。
そこに小さな声がした。
「あ!ドフラミンゴと一緒にいる、大人間!?」
「え?…小人?」
一度どこかで耳にした小人族ってやつだろうか。
なんだったけ…トンタッタの小人だ。
「あ!ちょっと待って!何処か行かないで!何もしないから、動けないから手足の糸を切るかなんかして欲しいの!
約束する!何にもしない!」
「わかりました!」
思ったよりも簡単に了承してくれて、肩透かしをくらうが…まぁいいか。
危害を加えようとは思ってないし。
「ありがとう。小人さん。」
「いえいえ!実はあなたの事は何度か城で見かけてるのれす!」
「え?」
「夜な夜な声も音も無く泣いてる姿を見た事があるのれす!事情はよく分かりませんが、ボクはちょっと心配していたのれす!」
「…(あれ、見られてたのか…)」
実は小人が言う事には心当たりがある。
しかも、一回じゃないからいつなのかもわからない。
「ありがとう、心配してくれて。優しい小人さんなんだね。」
「そ!そんなことないれす!…」
よく見ると、小人さんから少し離れたところにカブトムシのような子と髪の毛がながい可愛らしい小人さんがいた。
警戒してか、近づいてこない。
「ドフラミンゴの近くにいるのが嫌すぎてね…。ほんと嫌になるよ。」
「逃げられなかったれすか?」
「追われる生活とか、考えただけで怖すぎてね。あと、私がいる事でほかの女の人達が助かるかなーって。」
「???」
「小人さんは知らなくてもいいよ。大人のドロドロ〜っとした話だからさ。」
小人さんが大人なのか子供なのか判別つかないけど。可愛い小人さんにしたい話ではない。
「とにかく解いてくれてありがとう。これから何処に行くの?そこまで送るよ?」
「あ!すぐそこのひまわり畑に行くだけだから大丈夫れす。」
「じゃあ、無事に合流するところまで見送らせて欲しいな。ここから見ておくから。」
「…いえ!一緒にいきましょう!ここは危険れす!」
レオと名乗ってくれた小人さんについていく。
花畑には男の人が1人と女性が2人。みんな満身創痍という出立ちだ。