第3章 10年の月日
13年前とケジメで直ぐに分かった。
(そっか)
「お前ら直接は仲良かった訳じゃないが、2人ともアイツを慕っていたからな、フフフッ話が合うかと思ってな。」
「…」
思惑が分からない。
ドフラミンゴは私をローに会わせてどうしたいのか
ローが無策でドフラミンゴに挑むわけがない
なんて答えるのが正解か
ローの手がピクリと動く。意識が戻った?
なんとなく伝わるように言葉を選ぶ
「興味無い、13年前からずっと…」
(13年忘れた事はない)
「そう言うな、ガキの頃は一緒にフロにも入った仲だろ?」
「今は思いつかない…機会かあれば、何か話すけど」
(今は話せる状況じゃない)
「その様子じゃ、もローが生きてる事は知らなかったって事か」
「知らない。13年…ドフィに閉じ込められてきたじゃない」
(悪いけど、役にはたてない)
「フフフッ、人聞きの悪いこと言うな。オレは大切なものを大切にしまっていただけさ」
壊れたと思ったのに。
何も感じないと思ったのに
ローの顔を見たら、何かが動き出した気がする。
閉じ込めてた怒りが憎しみが、溢れてきそうで
泣きそうになる
「…フフフッ、そんな顔をさせたかったワケじゃなかったんだがな…」
ドフラミンゴが背後から抱きしめてくる。
自分がどんな顔をしてるというのだろうか。
ふと、この男の隙をつきたくなり自分から誘うように見上げてからゆっくり目を閉じる。
「っん……ぁ…」
深く噛み付くようなキス。
いつもはここからは何も考えないようにしている…けど、
-心だけは囚われちゃいけねぇ
大丈夫。あの人の声をまだ思い出せる。
あの日々はまだ心の中に残ってる
深く深くキスをする、意識がどこにもいかないように
わたしに集中してくれるように
私はドフラミンゴのポケットから鍵を抜き取った。
「ん…ドフィ…」
なるべく甘く。
名残惜しそうに離れる
「フフフッ、いいのか?こいつの前で。」
「ドフィが望むなら。でも、一回部屋に戻るわ。ローの顔を見たってなんとも思わないもの」
とりあえず一度ここから離れないと。
部屋を出て力が抜ける足で壁にもたれる
もう少しここから離れないと…