第3章 10年の月日
人によっては大した事ないのかもしれないけど。
毎夜のように好きではない男から求められる行為は簡単に私の心を壊していった。
それでも、一見は普通に過ごす事は出来ていた。
ベビー5とは相変わらず仲良く会話をする事が多かった。
ただ、彼女は私と違って割と自由なので噛み合わないところもあったけど、色々世間話や恋バナは楽しかった。
(ただ、求婚されたからって簡単に婚約しちゃうのはいかがなものかとは思うし突っ込むけど、聞いてくれないんだよね)
ドレスローザの宮殿からほぼ出る事を許されていないので、外の話はファミリーのみんなとの会話から集める事しかできない。
そんな日々が続いたある日。
(珍しい、今日はバッファローだ)
今日の部屋の監視はバッファローだった。
同世代のベビー5とバッファローが監視に単独でつくことは珍しかった。
それがバッファローだけと言う事は、『なにか』が起きてるという事。
そういえば、ここ数日ドフラミンゴの機嫌は悪かった事に気付く。
なにかが、何かは分からないけど。
私は窓の外を眺める。
いつもと変わらない気がするけど、きっと何かがおこってる。
(動くならここかな)
窓を開けようと手を伸ばすと、何かに引っかかった。
「フフフッ。なにしてる?…」
「ドフィ…空気の入れ替えだけど…どうかした?こんな時間に」
何かは糸で、いつのまにかドフラミンゴがすぐ後ろに立っていた。
(おかしい、昼間は基本的に部屋には来ないのに)
「フフフッ会わせたい客が来たから呼びに来た。」
「?」
「ついて来い。」
言われるがまま、ドフラミンゴの後ろをついてある部屋に入る
「!!ロー!?」
血だらけになって手錠をつけられたローがいた。
意識はないのか、私が大きな声を出したにも関わらずこちらを向く事はない。
(どういう事!?13年前のあの日、あの人が命がけで逃したのに。なんで…)
「フフフッ。驚くよなぁ?13年前に別れたローがここにいるとは。」
「どういう事…なの…」
「13年前のケジメをつけにきたそうだ。」