第1章 貴方は誰を選びますか (烏 青 音 梟)前編
いつもはそれなりに集中できる部活も頭の中に彼女がいて。ふとした時に考えてしまう。時々聞こえてくる応援の声とか掛け声とか…そのたびに心臓がトクトクなる。変なの。僕じゃないみたい。
そういえば合宿のとき部屋飛び出していったの何だったんだろ。すごく怯えているように見えた。それを東峰さんが追いかけてって…そのあと菅原さんが出ていって。先に戻ってきたのは東峰さんだった。
仲良く話す彼女と菅原さんをみれば解決したんだなって分かる。けどたまにビクついたりするのはなんでだろう。僕が気にすることじゃないのは分かってる。それでも彼女が気になる。
「休憩ーー!!」
澤村さんの声で全員がドリンクを取りに行く。
「ね、ねえ」
気づいたら話しかけてた。
『…月島くん?』
不思議そうな顔してる。
僕から話しかける事なんてほとんどないし
驚かれても無理はないか。
「今日ってさ…その。」
『今日?』
「…誰かと帰る約束してたりする?」
部活中に誘うとか僕なにしてんだろ。
『ううん、特に約束はないかな』
「そしたら僕と一緒に…」
『うん、もちろんだよ
一緒に帰ろう!』
詰まった言葉の先を理解してくれた彼女が
一緒に帰ろうと言ってくれた。
「ん。ありがと。」
休憩中に誘うとかほんと…なにしてんだろ。
練習再開後、指を怪我した王様がに手当されていた。その光景を横目に羨ましいな、とか思ったりして。モヤモヤがどんどん大きくなる。王様と何か話してるみたいだけど全然聞こえないし。
部活が終わるといつものように菅原さんがに話しかけている。今日も一緒に帰ろうって誘ってるらしく、それに言葉を詰まらせている彼女。別に隠してなんかないし言えばいいのに。僕と帰るって。
「お疲れ様です菅原さん。
僕着替えてくるからも着替えてきな」
伏せられていることがなんだか面白くなくてうしろから声をかけた。それだけ伝えてすぐに部室へ向かったけど、背中越しに菅原さんの動揺がひしひしと伝わってくる。