第1章 貴方は誰を選びますか (烏 青 音 梟)前編
モヤモヤする。
休み時間からずっと。
なにこのモヤモヤ。
自分の席でいつもみたくヘッドホンをして音楽を聴いてた。その音をすり抜けて僕の耳に届いた声。
『月島くんっ』
え、キミ別のクラスでしょ。
「…?どうしたの?」
『これ、手紙なんだけど受け取ってほしくて』
心臓がトクトクと脈を打つ感覚。
なにこれ。
「…手紙?なにこれキミから?」
『あ、私からではなく…あの。私のクラスの子から…なんだけど。受け取ってもらえるかな?』
さっきまで脈打ってた鼓動が消える。
手紙なんて心底どうでもいい。
送り主の名前を読んでみても知らない名前。
「受け取らないっていったら?」
『んん…ちょっと…困っちゃいます。』
眉を下げてしゅんとした表情の彼女。
困らせるわけにいかないなんて
どうして思ったんだろうか。
「そ、じゃあ受け取る。」
受け取るとか言っちゃって。
どうせ読まないのに。
『ありがと月島くんっ』
ぱあっと明るい表情を見せてくれたから
受け取るくらい別にいいやと思える。
そのあと、読まないけどって言った僕にまた眉をさげるもんだから、渡したことだけ伝えればいいでしょって提案してみた。手紙とか普段なら受け取らないのに…なんで受け取ったんだろ。
またあとでねって元気に教室を出ていった彼女。特別話したことは無い。菅原さんとすごく仲が良くて、清水先輩にも可愛がられてるって印象。入学式の日にぶつかったのも覚えてる。とっさに引っ張った手首が細くてびっくりしたっけ。
午後の授業も間の休み時間もずっとずっと…
僕はどうして彼女のことを考えてるんだろ。
音駒との練習試合後も割って入っちゃったし。
まああれは目の前でマネージャーにキスされるの見るこっちの身にもなって欲しいし…黒尾さん結局頬にしてたけど。
…モヤモヤする。