第1章 貴方は誰を選びますか (烏 青 音 梟)前編
「ふぁー疲れたあ!」
『孝ちゃんお疲れ様』
体育館から出れば呼び方を変える。
孝ちゃんとのルール。
「もおつかれ!
じゃあ俺着替えてくるからいつものとこでな」
『あ、今日は帰る約束してる人いて。
また明日ね孝ちゃん!』
「…そっか。えと、誰と帰るの?」
えっとこういうのって言っていいのかな
月島くんはバレたくないかもしれないし…
「お疲れ様です菅原さん。
僕着替えてくるからも着替えてきな」
困っていると後ろから現れた月島くんが私たちに声をかけて部室へと消えていった。山口くんの驚いた顔すごかったなあ。
「え、っと月島と帰るのか?」
『うん、月島くんが誘ってくれて。今まであんまり話したこともなかったし仲良くなれるチャンスかも!じゃあ私着替えてくるね!』
そうだよね、2人きりで話すなんて今までなかったもん。これを機に仲良くなれたら嬉しいな。
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『ごめんねお待たせ月島くんっ』
潔子さんと話してたらちょっと時間経っちゃった!
月島くんこういうの怒りそう…っ。
「別に。はやく帰ろ。
ギャラリーがムカつく。」
あれ、怒らない。
けどギャラリーってなに?
『ギャラリー…?』
パッとうしろを振り返ると魂が抜けたようにヘナヘナとして田中さんに支えられている西谷さん。
「ノヤー!!ノヤっさーーん!!!」
「は月島と付き合ってんのか…?」
「どっからどう見ても
ノヤっさんの方がいい男だぜ!!!?」
「いや失礼デショ…」
その隣になんとも言えない表情の孝ちゃん。
「つ、月島に取られる…っ!
だいちぃぃいいいい!!!!!」
「うるさい!!」
「ああもうめんどくさい。
帰ろう。家どこ、送ってく。」
先輩方には目もくれず私の手を取って歩き出した月島くん。一瞬ビクッとしてしまった私の肩にきっと月島くんは気づていない。気づかないでほしい。そして月島くんの行動に西谷さんの悲鳴が上がったのはしっかりと私たちの耳に届いている。