第1章 貴方は誰を選びますか (烏 青 音 梟)前編
「…なあ」
くるくると大人しく指にテーピングをされながら沈黙を破ったのは影山くん。
『なあに影山くん』
「お前って月島と付き合ってんのか?」
『…ふぇ?月島くんと??』
「違うのか?」
『全くもってそのような関係ではっ』
「でも今日一緒に帰るんだろ?
月島ってそういうの誘うタイプか?」
『あーさっき話してたやつかな?』
「わりぃ、聞こえた。」
『あ、別に聞こえちゃまずい話じゃないし』
一緒に帰る約束をすると付き合ってると思われちゃうのかな。これって月島くんが誤解されちゃう…のかも。
テープを巻かれていく影山くんの綺麗な手を見つめながら考える。爪まで整えてるんだ…すごい。
「テーピングさんきゅ」
『あ、いえいえです。
影山くんはうちの大切なセッターなので!』
「…ん、気をつける。」
私の手からするりと抜けた影山くんの大きな手。男の人の手って…そういえばあんまり触らないかも。あんなに大きいんだ。
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「…ちゃん、ちゃん?」
『…っはい!』
「ボーっとしてどうしたの?考え事?」
『あ、えっと』
「うん?」
心配そうに私をのぞき込む潔子さん。
今日もお綺麗です…っ!
『あの、男の人と2人で帰る約束をしたら、それは付き合ってるように見えるんでしょうか…』
「菅原のこと?」
『いえ、菅原さんではないんですけど。
それに菅原さんと付き合ってるなんて今更だれも思わないですし。』
「まあそれもそっか…。(頑張れ菅原…。)
それは…ちゃんの好きな人?」
『あ、そんなんじゃなくて。
さっき一緒に帰ろうって誘ってくれて。
そしたら影山くんが聞いてみたいで。
付き合ってんのかって聞かれただけです。』
「さっき?うちの誰か?」
『月島くんです』
「え、月島?1番意外な名前が出てきた。」
『私も驚きました。』
「ただ一緒に帰るだけなら付き合ってるとは思わないけど…なんで急に誘ったんだろうね。また明日聞かせてよ。」
『はい、また聞いてください。
潔子さんとガールズトーク好きです!』
「ふふ、嬉しい。私もだよ。」