第1章 貴方は誰を選びますか (烏 青 音 梟)前編
『それは…特に話すことじゃ…』
そこまで深くは話してないんだ。
きっと菅原くんは、あの日を連れ出したのが俺だってことも知らなそうだな。
「…俺…戻る…ね」
やっと絞り出したような声。
体育館へとかけていく菅原くん。
『孝ちゃっ…』
腕の中にいるが菅原くんを追いかけようとするから思わず力を込めた。
「今は音駒のマネでしょ?
行かないでよ…俺といて?」
戸惑うを自身に収めて引き止めて…自分でも何がしたいのか分かんない。とっとと告白して気持ち伝えないとな…やっくんの言う通り早くしねえと取られちまう。
先にを体育館へ戻らせて、少し経ってから俺も戻るとちょうどタイムアウトをとったところだった。ベンチに座った研磨の足をテーピングしている。ほんとに俺らのマネになったみたい。このまま東京連れて帰りてぇな。
『…あ、黒尾さんも指!』
「いや、俺は大したことねえから」
『悪化してからじゃ遅いの!
テーピングだけさせてください』
「…じゃあ、お願いシマス。」
切った指を保護してテーピングをしてくれる。触れる体温とか、テーピングをする手際の良さとか、数ヶ月しか経ってないのになんかすごい懐かしい。
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テーピングのおかげもあって音駒は烏野に勝利
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片付けをしている最中、ボールを拾うのにしゃがんでいるが視界に入った。
「なになに、寂しいの?」
『ひぅ!』
目の前に現れた俺に驚いた表情。
『く、ろおさんっ!ビックリした…っ
えと…私…声出てました?』
「いーや?顔に書いてありますよ?
黒尾さんと離れるの寂しいってな」
『黒尾さんには何でもすぐバレちゃいますね』
冗談で言ったつもりなのに…なんだよそれ。
愛おしくて思わず頬を両手で包んだ。
あ…今の表情は…
「…また寂しいって思っただろ。
あのなあ…ああもう!連れて帰りてぇ…」
『そしたらまた一緒に寝られますね、へへっ』
まじでほんと…だめだ心臓もたねえ。
「っもうほんっとに…やだこの子…っ」
『え…っ嫌い…ですか?』
「んなわけねえだろ!大好きだばか!」
あ、やべ口に出た。
『!!私もです!黒尾さん大好き!』
はあ、連れて帰りてえ…