第1章 貴方は誰を選びますか (烏 青 音 梟)前編
本日2回目のドリンク作り。
練習と言えど試合はやっぱり体力を消耗するんだろうな。いつもよりドリンクを作るタイミングが早い。
「ちゃん」
『はいっ』
「今日1日だけ音駒についてあげたら?
あの黒髪の人とプリン頭の人
会うの久しぶりなんでしょ?」
潔子さんからまさかの提案
『いいんですか?』
「うん、私は今までも1人だったし大丈夫だよ。
コーチと澤村には私から話しておくからドリンクもっていったらそのまま音駒についていいよ」
『ありがとうございます!』
2人でスクイズを持って体育館へ戻る。潔子さんは烏野へ、私は音駒のベンチへ。優しい顔の猫又監督に説明をすると助かるよ、と言って快く迎え入れてくれた。
「あれ、こっちいてくれるんですか?」
『今日1日だけ音駒のマネージャーですっ』
「へー、そりゃ嬉しいなあ
あー…でも孝ちゃん怒ってない?」
黒尾さんの視線の先を見ると何やら膨れ顔の孝ちゃん。
目が合ったので手を振るとタタタっと走ってきてピタッと私の目の前で止まる。
「なんで音駒いっちゃうんだよー…。
やだ。寂しい…頑張れない…。」
ほんとに歳上なのだろうかこの人は。
『よしよし孝ちゃん。
合宿終わったらお泊まりしよ?
そしたら…頑張れる?』
「…絶対?」
『絶対だよ』
「じゃあ頑張る…」
『ほら、そろそろ再開するから戻ろう?』
「ん…。」
渋々と私から離れた孝ちゃんが烏野の方へと戻って、練習試合が再開された。守りの音駒…守備上手いなあ。穴が全然ないや。烏野は攻めきれないといった感じ。
あの犬岡くんて人…日向くんたちの速攻に慣れてきてる。今日初めて見たはずなのに…すごい。
「ワーンチ!!」
黒尾さんの声が響く。
黒尾さんの繋いだボールを夜久さんが拾って、研磨くんがセットアップして黒尾さんが打ち抜く。綺麗なモーション。
少々体勢を崩して拾ったからか
研磨くんが苦しそうな表情をしている。
特段怪我をしたわけでもなさそうだけれど
一応冷やした方が良さそう…な気もする。
猫又監督に断りをいれてタオルを冷やしに行く。保冷剤も取ってこようかな。コールドスプレーは烏野の方に入ってたから借りよう。