第1章 貴方は誰を選びますか (烏 青 音 梟)前編
『…黒尾さん?』
「…今あんま見ないでくだサイ。」
「うーわ黒尾ダッセぇ!
何年拗らせてんだよ早くしねえと取られんぞ!」
「…っわかってるわ!!」
あー…最悪だ。
不思議そうに俺を見上げると
ケラケラと笑うやっくん。
虫でも見るような表情の研磨。
「あー……これは違くてだな…」
『黒尾さん好きな子いるんですか?』
「は…へ?」
『え?』
「今の話聞いてた?」
『え、聞いてましたよ?
でもよく…分かんなかったです…』
なんっなのこの子!お天然すぎる!
自分のこと言われてるかなって考えたけど
いや私じゃないかって脳内変換したんだろうな
良いんだか悪いんだか……。
「はーい、そろそろウチのマネ返してね〜!」
「まだ休憩おわってないでしょーが!
久々の再会邪魔しないでもらえますーう?」
突然やってきた烏野の2番くん。
「俺だって3年ぶりに帰ってきたとの再会邪魔しないでもらいたいですーう!」
『ちょっと孝ちゃん!
3年ぶりの再会って…もう1ヶ月以上経つでしょ!』
あー、この子が“幼馴染”の孝ちゃんね。
「はいはい、こらスガやめなさい
黒尾もそろそろウチの可愛いマネ離してくんないか?コイツのことになるとスガがめんどくさいんだよ。」
「やですーう!
俺この子だーいすきなんでー!」
空気感で何となくわかる。
孝ちゃんってやつはきっとに本気で惚れてる。を担いで体育館に入ってきた時から視線をずっと感じるし今だってふざけた調子で笑ってるけど目が全く笑ってねえんだよな。
「ちゃーん!
追加のドリンク作りに行こー?」
『あ、潔子さん!はい!すぐ行きます!』
烏野の先輩美人マネに呼ばれて
するっと俺の腕から抜け出した。
『呼ばれたから行きますね!
よかったら音駒のドリンクも作ってきますよ!』
マネージャーいなくて大変そうだからって
芝山と犬岡が抱えていたスクイズを受け取って
すたすたと走って行ってしまった。
『私作ってくるから休憩はちゃんと休んでね!』
天使か…天使なのかは。
芝山と犬岡の周りの空気がふわふわとしている。
「クロ…やっぱ烏野でも人気だね。」
「俺もそろそろ男見せますか…。」