第1章 貴方は誰を選びますか （烏 青 音 梟）前編

消灯の少し前。

コンコン、と叩かれた部屋のドア。

直ぐに開けに行けば

｢あれ、？どうした？｣

扉の前に立っていたのはだった。
風呂上がりの緩い感じ。あぁ可愛いな。

『あ、こ…菅原さんっ』

言い直されるとやっぱ寂しいな。

｢もう部活中じゃないしその呼び方おしまい｣

合宿中ではあるけど部活中じゃないしいいだろ？

『そうだねっ
あのね孝ちゃん、大地さんいるかな？』

うん、やっぱこっちがいい。

｢大地？うん、いるよ。
ちょっと待ってな〜、だいちーっ！｣

｢んー？ってちゃん？
1人か？清水はどうした？｣

『烏養コーチから明日のメニュー変更の話があったのでお伝えしに来ました。潔子さんはもう寝てます！』

｢そうか、わざわざありがとうな｣

そう言ってポン、との頭を撫でた大地に一瞬体を強ばらせたように見えた。心配になって大丈夫か、と聞くと大丈夫だよ、と小さく笑って見せてくれた。

中で話そう、提案した大地と3人で部屋に入ると

｢…！！！何してんだっ！？｣

まあ西谷が真っ先に食いつくよな。

『あ、えと。明日のメニュー変更の伝言…ですっ』

｢そうか！ありがとうなっ｣

『全然です！皆さんのマネージャーなんで！』

う…なんか今モヤっとした

｢皆のマネージャーとか言うなよ〜｣

『あれ…調子乗りすぎたかな…？』

いやいや、そうじゃない。
しょぼんとしたも可愛いけど。

｢ちっがーう！皆の！とか言うなって〜
俺だけのだったのに〜っ｣

｢うわー、菅原さんおも〜…｣

｢こらあ月島ぁあ！聞こえてんだよー！｣

目を細めて俺を見る月島を追いかけていると
端の方で大地と真面目に話し合いを始めていた。

しばらくたって

｢わかった、ありがとう。
じゃあそうしよう。｣

『はいっ』

お、話し合い終わったかな？