第1章 貴方は誰を選びますか (烏 青 音 梟)前編
『いえ…結果的に何も無かったですし。
それに旭さんが助けてくださったので。』
「いやいやそれでも、だ!
アイツらには責任とらせるから!
ほんっとごめんな…東峰もありがとな。」
「いや俺は別に…」
深く頭を下げてそいつは教室に戻って行った。
「教室いこうか」
『はい』
やっぱり1年生のフロアにくると
すごく怯えた顔で見られるな…。凹む。
『旭さん!私ここです!』
「お、そっか。じゃあまた部活でな。」
『はい、ありがとうございました!』
「こちらこそ。弁当うまかったです」
『またいつでも作るので!じゃあ!』
「はは、それは嬉しいなあ
じゃあ、またね」
一瞬躊躇したけどポン、と頭を撫でて
俺も自分の教室へと戻る。
怖がる素振りも無かったし
俺の事は別に怖くないのだろうか。
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キーンコーンカーンコーン
「旭さん!GO!部活!」
西谷毎日来るなあ…元気だな。
クラスのやつに犬の躾かよって言われたし…
まあもうすぐ音駒との練習試合もあるから
気合い入れてかないとな。