第1章 貴方は誰を選びますか (烏 青 音 梟)前編
「休憩!」
キャプテンの声で全員が休憩に入る。
スクイズを片手にギャラリーにあがってくる
研磨くんと黒尾さん。
「…俺頑張ってたよね?」
『うん、研磨くん頑張ってた!
周りよく見てて凄い!』
「ん。が褒めてくれたら頑張れる。」
よしよし、と研磨くんの肩にかかっていたタオルで流れる汗を拭いてあげる。されるがままふにゃっと笑っている研磨くんは猫みたいで可愛い。
「俺は?俺も頑張ってましたよね?」
『黒尾さんのスパイク久しぶりに見て感動しました!私があんなの受けたら腕もげちゃいますね〜ははっ』
「褒め上手だな〜
帰りにアイス買ってやるよ」
『うぇ!ほんとですか!やったあ!』
「てかさっきアイツらと何話してたの?」
黒尾さんの目線の先には凛花さんたち。
私たちに気がついてパタパタとこちらへやって来た
「ちゃんのことずっと可愛いなって思ってて、たまに男バレ見に来てるからココに来れば会えるかなーなんて思ってたら今日いたので思わず話しかけちゃったんです。仲良くなりたいですって」
『です!仲良くなりました!』
「あーわりぃ!てっきり虐められてんのかと!」
『な!黒尾さんサイテー!
謝ってくださいー!』
「いやマジごめん!
でもコイツほんと可愛いだろ?」
「いやもう可愛すぎて天使かと…」
何を言ってるの黒尾さんも先輩方も…
「クロはの事になると過剰反応しすぎ」
「うっせー無気力にゃんこ!
お前もにだけ懐きやがって!」
「俺が懐くのはだけでいんだよ
俺の飼い主はクロじゃなくてだからね」
「へーへー、じゃあ俺たちまた練習戻るけど
先輩と仲良くなー?コイツのこと宜しく!」
「「「はーい!」」」
私をぎゅっと抱きしめて頭を撫でてから黒尾さんは研磨くんと再び下へと降りていった。ギャラリーへ手を振る2人に私も手を振り返して顔を上げると、反対側のギャラリーにいた人と目が合った。
あれは…先生かな?
体育館のライトがちょうど当たってよく見えない
けれどその人はこちらへ向かって歩いてきている