第1章 貴方は誰を選びますか (烏 青 音 梟)前編
「あの…、貴方2年生のさんだよね?」
『あ、はい!2年のです。』
話しかけてきたのはいつもギャラリーから男バレの見学をしている3年生の集団。ああ怖いな、なんて思いつつ笑顔で返事をした。
「黒尾さんと付き合ってるの?
それか…孤爪くん?」
『違いますよ!仲良くしてくれてるだけです!』
黒尾さんも研磨くんも距離が近いから
たまに勘違いされるんだよなあ。
「あれ、そうなの?
なんだてっきり…あ、あのね!私たちアナタのことずっと可愛いなって思ってて!たまに男バレ見に来るでしょ?黒尾さんアナタに見せる笑顔が1番素敵だし、孤爪くんもアナタにはすごく柔らかい表情見せるし!」
『えと…そうですかね??』
ん…?思ってたのと違う。
なんかもっとこう…2人に関わらないで!
とか言われるのかと思ってた…。
目をキラキラさせながら話す先輩に戸惑ってしまう
「孤爪くんも黒尾さんも絶対アナタのこと好きだと思う!私たち的にはどっちと付き合っても全力で推すけど!!」
『お…推す?』
「ずっと思ってたの!アナタと孤爪くんなら可愛い同士で、アナタと黒尾さんなら美男美女だな〜って!私、もともと黒尾さんのファンで男バレ見に来てたんだけど、たまに来るアナタにも会いたくて…黒尾さんが卒業した今でもここに来てるの。」
『私に会いにですか?』
「急に話しかけてごめんなさいね。
ずっと可愛いな綺麗だなって思ってて…仲良くなれたらな〜なんて思ってたの。ココに集まってる人達はだいたい孤爪くんや黒尾さんのファンだけど、2人に関わらないでなんて誰も思ってないからいつでもココに来てよ?」
誰かに何かを言われたわけじゃないけど、2人と仲のいい事をよく思われないだろうと思ってギャラリーに来るのは控えていた。その不安を消してくれた先輩の言葉に胸が温かくなる。
『…私それが不安であまり来られなくて。
先輩がそう言ってくださるならまた来ます!』
「ほんと!嬉しい!
私は凛花、宜しくねちゃん!」
その後も先輩方の自己紹介やら他愛のない会話をして随分打ち解けられた気がする。
連絡先も交換したし、素敵な先輩方と仲良くなれたな。