第1章 貴方は誰を選びますか (烏 青 音 梟)前編
キーンコーンカーンコーン
よし、旭さんのとこいくか。
えと…旭さんって何組だろう。
孝ちゃんは4組で一緒じゃないって言ってた。
3年生の廊下をウロウロしていると声をかけられた
「もしかして1年生のちゃん?」
『あ、はい。えと…?』
「いやすげぇ可愛い1年入ったって聞いてさ
俺バスケ部の3年の白濱!白濱瞬!」
昨日の記憶がフラッシュバックして
思わず後退りをしてしまう。
『白濱…さん。』
「名前で呼んでくれたり…??」
『瞬さん…?』
「うはあああやば!
また見かけたら声掛けていい!?」
『もち、ろんです』
悪い人では無さそう…?
「あ、てか3年フロアになんか用あったの?
誰か探してる?呼んでこようか?」
なんと!救世主!!
『あ!東峰旭さん!探してます!』
「あー東峰ね!3組だよ、こっちおいで」
うしろをついて行って3組と書かれたクラスのトビラを白濱さんがガラガラっと勢いよくあけると、ちょうど出てきた人とぶつかりそうになり咄嗟に謝る。
『ごめんなさ 「ちゃん?」』
『あさ、ひさん…っ!』
「おー東峰!ちゃんが探してたから連れてきた!」
「今からお昼買いに行ってちゃんの教室行こうと思ってた…来させちゃってごめんね。白濱ありがとな。」
ブンブンと手を振ってどこかへ行ってしまった白濱さんにぺこりと会釈をしてから旭さんを見上げる。
『あ、えと…昨日のお礼にしてはショボイんですけど…お弁当作ってきたので旭さん食べませんか?』
「え、俺に?いいの?」
『旭さんに作ってきたんです!』
「わーまじ!?嬉しいなあ…!
向こうの空き教室でいいかな?」
『あ、はい!人がいなければどこでも…』
あんな話他の人に聞かれたくない。