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ハイキュー 短・中編集

第1章 貴方は誰を選びますか (烏 青 音 梟)前編


『なんも…何もないの…ごめんね。
少ししたら落ち着くから…大丈夫。』

「…触っても大丈夫?」

『え…あ。うん。』

少し間が空いてから目を逸らして返事が返ってくる。

そっと背中に手を回して引き寄せた。
俺とのぎゅー好きだよな…?

一瞬ピクっとしたのを見逃せなくて苦しくなる。

「…俺だよ。
孝ちゃんだよ…。大丈夫だから怖がるな。」

『う…ん。孝ちゃん…うっうぁ…っ』

「本当にどうしたんだよ…。」

俺の腕の中で泣くが力を込めたら壊れてしまいそうで怖かった。何があったんだよ。

暫く泣いてからスっと顔を上げて俺を見上げる

『…っもう平気!ごめんね…!』

「…俺の前では無理しないこと。
何があったか聞かないから。な?」

多分聞かれたくないことなんだろうから。
泣きたいなら俺を呼んでよ。頼って。

『ふふ、うんっ!』

「ん、じゃあ弁当食べて戻んべ!」

昼休みが終わるまであと20分。

『ねえ孝ちゃん…今日も泊まっていい?』

「聞かなくていいからいつでもおいで」

1人で寝たくないんだろ?
なんか思い出して怖いのか?
そんなん俺が全部消してやるからおいで。

『うん。ありがとう!』

「んじゃ戻ろーか」

すっかり笑顔になったを教室まで送る。

「また部活でな!」

『うん、またね』

「あ、弁当箱もらってくわ。
荷物になるだろ?」

『え、いいよ!私が預かる!
孝ちゃんみたいに部活道具とかないし!』

んーまあ確かに俺のカバンの中部活着とかシューズとか色々入ってるしその方がありがたいか。帰りは俺がのカバン持てばいい話だよな。

「じゃあお言葉に甘えて…ありがと!」

『うん、じゃあまたね!』

一瞬躊躇したけど離れがたくての頭を優しく撫でる。今度は怖がらずにニコッといつもの可愛い笑顔を見せてくれた。

教室に戻るなりニヤニヤ顔の大地が待ち構えていたのはまた別のお話。
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