第1章 貴方は誰を選びますか (烏 青 音 梟)前編
コンコン
「今行くってー待ってー」
『孝ちゃん、あけていい?』
「え、!?
ちょ、まって!待って今開ける!」
バタバタバタと物音がして勢いよくトビラが開いた。
『あ、ご飯できたよ』
「あ、はい…!
呼びに来てくれてありがと」
孝ちゃんと2人でリビングへと降りる。
『んんンンン!美味しい!
孝ちゃんママのご飯久しぶりだあ!』
「いーっつも美味しそうに食べてくれるから嬉しいわあ。今一人暮らしなんでしょ?いつでも食べにおいでね。」
『ほんとに!』
「あーったりまえよ!明日もおいで!」
『凄く助かる…明日も来ちゃいます!』
「孝支いつも部活で帰り遅いの。わざわざ待ってなくていいから気にせずおいでね。」
「あ、男バレのマネージャーなったの
だから明日も一緒に帰ってくるよ」
「あら!そうなの!?」
『はい!孝ちゃんが烏野にいたの知らなかったし男バレにいるのも知らなかったけどたまたま…って感じで!』
「あらそー、よかったわね孝支っ」
「な、なにがっ!?」
「何言ってるのよちゃんに会いたいってずっと言ってたじゃない!まさか同じ高校で部活も一緒なんてねえ?」
『私も会いたかったから嬉しいよ孝ちゃんっ』
幼馴染に2年間会えてなかったんだもの。
会えて嬉しいにきまってるじゃない。
「…こほっ!けほっけほっ」
飲んでいたお茶でむせた孝ちゃんが咳き込む。
それを見て笑う孝ちゃんママ。
この明るい空気感が懐かしくてにやけてしまう。
「あ、そうだ。もう暗いから泊まっていく?」
孝ちゃんママからの提案
『実は1人寂しいなーとか思ってました…
お言葉に甘えていいですか?』
「もちろんよ。ねえ孝支?」
「え、あ、うん」
「孝支の部屋に布団敷いておくからお風呂入りなさい」
ご馳走様をしてお風呂へと向かう。
いつ泊まっても困らないように下着は常に置きっぱなしにしていた。久しぶりに来たのに取っておいてくれたんだと嬉しい気持ちになる。
何だか帰ってきたなあ…ってすごく実感してる。
懐かしい人に会えてご飯も美味しくて…
高校生活楽しいことが沢山待ってそーな予感。