第1章 貴方は誰を選びますか (烏 青 音 梟)前編
「んじゃー今日はもう片付けして解散!」
またまた大地さんの声で皆が動き始める。私も一緒にボールを拾ったり手伝えることを探す。
「どうだった?マネ初日は」
『あ、えと。ドリンクの好みとか、スコアとかいろいろ…清水さん1人でやってたんだと思うとすごいなって…尊敬します。これから私も清水さんみたいに皆さんのこと支えられたらなって思いました。」』
「ふふ、嬉しいこと言ってくれるね?
なんかちゃんて素直で可愛くて妹みたい。ねえ、私のこと名前で呼んでくれたり…しないかな?」
『…!もちろんです!潔子さん!
綺麗で優しいお姉ちゃんが出来たみたいで嬉しいです!』
「これから宜しくね!」
『はいっ』
素敵なマネ初日だった。
潔子さんも部員の皆もいい人ばっかり。
本格的にルールとかみんなのドリンクの好みとか覚えなきゃ!明日からメモ持ってこよう!
「ー!帰るから着替えてきな!
着替えたら部室の下で待ってて!」
『あ、はーいっ!』
潔子さんと一緒に体育館を出て着替えに行く。孝ちゃんと約束した場所に着くまで色んな話をした。東京でのことや潔子さんが中学生までやってた部活のこと。あっというまに孝ちゃんが部室からでてきてこの日は解散となった。
「おまたせっ!」
『お疲れ様です、菅原さんっ』
「んもー部活終わったから名前で呼んで!」
『孝ちゃんおつかれさま』
「はい、もお疲れ様!
どーよ?マネージャーやってけそう?」
『うん、大変そうだけどなんとかっ』
「そうか、一緒に頑張っていこうな」
私はプレイヤーじゃないのに。
一緒にって言ってくれるんだな。
あっという間に分かれ道まできて孝ちゃんが足を止める。
『じゃあまた明日部活でね!』
そう言って足を進めた私の腕を孝ちゃんが掴む。
『孝ちゃん?』
「あ…いや。久々会ったから…つい。
えと…んちいっていい?」
『え、今から?』
「あ、別に変な意味じゃなくて!
の母さんとか会いたいし!」
『あ、れ言ってなかった?
私一人暮らしなの。家は前と同じだけど。
お母さんたちは東京残ってるから』
そう。私だけ宮城に戻ってきた。
もともと中学3年間だけって話だったから。