第4章 君に笑顔を
頭をふわりと撫でられる。
「何もしないよ。確認するだけ」
ボタンが全部外され、制服の上だけが脱がされる。
見られてるだけなのに、恥ずかしくて顔を背ける。
「何もされなかった?」
「ボタン、外されて……見られた、だけだと……」
「ちっ……目ぇ潰しとくんだったな……。後であいつ等全員の目ぇ抉っとくか……」
呟いた蘭さんの言葉に、本気でやりそうな雰囲気を感じたので、必死に止める。
「し、しなくていいですっ! 怖い事言うのやめて下さいっ!」
「あぁ? お前の体無断で見たんだから、当たり前の事だろーが」
少し眉間に皺を寄せる蘭さんに、さすがの私もこれだけは譲れなかった。
「駄目ですっ!」
「ちぇ……んだよ……」
口を尖らせてむくれる蘭さんが、少し可愛くて笑ってしまう。
「ふふっ……」
蘭さんの目が開かれて、両肩を突然掴まれた。
あまりの勢いに、驚きで小さな悲鳴が漏れる。
「今、笑ったか?」
「へ? あ、の……」
「笑ったよな?」
「あ、ご、めっ……なさっ……」
迫力が凄過ぎて、怒らせたかと怖くなる。声が震える。
「謝んなって、怒ってねぇから」
頭を撫でられる。
何だか今日はやたらと蘭さんが優しいから、拍子抜けしてしまう。
「で? 何で今、笑ったんだ?」
まだそこにこだわるのか。蘭さんは、少ししつこい部分がある。行為中もだけど。
けど、蘭さんが可愛かったからなんて、怖くて言えない。
言えずにいると、両頬を摘まれる。
「いひゃい……」
「言えって」
「お、怒らない、ですか?」
「さぁーな」
意地の悪い顔をして、ニヤリと笑う。
意を決して、口を開いた。
「……蘭さんが、その……かわい、かった、ので……」
蘭さんが呆気に取られた顔で固まる。
怒るだろうか。ビクビクしながら蘭さんの答えを待つ。
「それは……難しいな……」
何がと聞こうとしたけれど、蘭さんは素早く私の身なりを整えて、立ち上がってしまったので聞けなかった。
蘭さんはベッドに乗って私を見る。私も蘭さんを見た。
「可愛いの、おいでー」
両手を広げて呼ばれているのを、さすがに無視する事は出来ないので、ベッドに上がって近づく。
蘭さんの前に正座する。