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恋綴〜イケメン戦国短篇集

第2章 貴方と過ごす特別な日 ☆*:.。.伊達政宗.。.:*☆


「政宗の雰囲気がいつもと少し違うような気がしたから、何かあったのかなって思ったんだよ。どこがどう違うかって聞かれると上手く言えないんだけど…」

ジッと見つめてくる政宗の視線を真っ直ぐに受け止めて答えると、政宗は意外そうに目を瞬いた。
その様子に、見当違いのことを言ってしまったかと急に不安になるけれど、政宗はニッと嬉しそうに笑ってから掠めるように口付けを一つした。

「ま、政宗っ…」

「可愛いこと言ってくれた礼だ。お前は本当に俺のことをよく見ていてくれてるんだな」

政宗は嬉しそうに笑ってくれているけれど、

「じゃあ、やっぱり何かあったんだね」
(それは良いことなのかな?良くないこと…だったら…)

「大したことじゃない。光秀の探索で、上杉傘下の大名が国境の織田の支城攻めを計画しているらしいことが分かった。奥州の伊達の領地にも近い地だ。俺が先鋒を買って出た。家康も同行する」

「っ…戦になるの?」

「大戦にはならないはずだ。相手は上杉傘下の大名とはいえ、この支城攻めは軍神の指示ではないようだ。兵数も大した数じゃない。光秀の情報だからな、それは確かだろう」

「そうなんだ…」

「出陣は三日後だ。家康は駿府に戻ってるから、途中で合流することになるな」

「三日後…急だね」
(三日後に出陣か…じゃあ、政宗の誕生日当日は戦の真っ最中になっちゃうんだ…)

仕方がないこととはいえ、色々と準備も進み、日に日に楽しみが増してきていたこともあり、落胆が隠せない。
知らないうちに沈んだ表情になっていたのだろう私の顔を、政宗は両手でむにゅっと摘んだ。

「うっ…いひゃい(痛い)よ、まさむね…」

「お前がそんな暗い顔するからだ。大した戦じゃないって言ったろ?心配いらない。俺を誰だと思ってるんだ?」

「分かってるよ、政宗が強いことは。誰にも負けないって…信じてる」

自信に満ちたその顔をジッと見つめると、優しく頭を撫でてくれる。

「じゃあ、何でそんな暗い顔してる?他に心配事でもあるのか?」

「っ…それは……」

(政宗の誕生日を当日に祝えなくなったのが寂しい…なんて言ったら呆れられるかな。政宗は元々、誕生日にはこだわりがない人だし…何と言っても武将だもの、戦の方が大事に決まってるよね。私が政宗を祝いたいだけだもの…)



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