第3章 聖なる夜に ☆*:.。. 徳川家康 .。.:*☆
「ふふ…来年のクリスマスは信長様たちも一緒に宴でもしようか?賑やかになるよ、きっと」
「…………」
「家康?どうしたの?」
「別に…あんたがそうしたいなら、それもいいけど…クリスマスは大切な人と過ごす日なんだよね?なら俺は…来年もあんたと二人だけで過ごしたいんだけど」
「っ……」
思いがけない甘い言葉にキュンと胸が締め付けられて、上手く言葉を返せなかった。
「怜はどうしたい?皆で集まって楽しく過ごすか、それとも、俺と二人きりで朝まで過ごすか…あんたが選んで」
「朝までって…」
「いいでしょ。俺は朝まであんたを独り占めしたい。今夜も来年の夜も…ずっとね」
熱の籠った視線に絡め取られ、何と言っていいのか、どうしたらいいのか、分からなくなってしまった私はその場で成す術もなく立ち尽くしてしまった。
「っ…あっ、あの…家康…私、その…」
「……あぁ、もぅ…可愛い声出さないの。今すぐ塞ぎたくなるでしょ…」
ーちゅっ…ちゅうっっ…
「っ、んっ!んっ…ふぁっ…」
ほんのりと赤く染まった家康の顔が近づいて、あっと思う間に柔らかな唇が重ねられる。
少し熱を帯びた唇に驚く間もなく、割り入れられた舌が絡まってきて口内を熱く濡らす。
(んっ…熱くて溶けてしまいそう。すごく気持ちいい…)
「んっ…いえやす…っ、待っ…」
「ダメ、待ってあげない。怜っ、今すぐあんたを愛したい」
ぎゅっと抱き締められて甘く求められるとそれだけで身も心もトロトロに蕩けてしまいそうになる。
「んっ…あっ…でも…お料理も贈り物も用意してあって…っ、ん、家康と二人でクリスマス…っ、したくて…あっ、ん…」
絶え間なく与えられる甘美な誘惑に流されてしまいそうになりながら、濃厚な口付けの合間に何とか訴える。
このまま愛されてしまいたい気持ちは大きく膨れ上がっていたけれど、乱世で初めてのクリスマスの夜を家康と二人きりで楽しみたい気持ちも強くて…
軽い抵抗を見せて腕の中でモゾモゾと身動ぐ怜に愛おしさが増した家康は、堪らずぎゅっと強く抱き締める。
「んっ…あっ…いえやす…?」