第1章 真夏の宵 ☆*:.。. 真田幸村 .。.:*☆
もっと触れたい
もっと深く…
頬を撫でる幸村の手はゆっくりと滑り降りて、指先を唇に押し当てる。
ぷっくりと柔らかな唇の感触を楽しんでいると、怜の口が無意識に開き、悩ましげな女の声が漏れる。
「あっ、んっ…ふぅ…」
「っ…煽んなよ…マジやばい、止まんねぇって…」
欲を煽られた幸村は、急速に喉の渇きを覚えてゴクリと唾を飲む。
(さすがに口付けたら起きるよな…触れるぐらいなら…ちょっとぐらいなら…いいよな?)
露わになった首筋につーっと指を這わせ、鎖骨の辺りをくるくると撫でる。
「あっ、んんっ…」
怜は擽ったそうに腰をくねらせて身悶える。
乱れた寝巻きの下で胸の膨らみが上下するのが見え、ぷっくりと固くなった蕾がその存在を主張しているのを、幸村は見てしまう。
胸の膨らみに寝間着の上から触れてみると、トクトクと心の臓の音が規則正しく聞こえていた。
指先が固く尖った胸の先に触れ、幸村は躊躇いがちに小さな蕾をキュッと摘んだ。
「んんっ!…っ、はぁ、んっ…」
怜はビクッと背を震わせる。
今度こそ完全に起こしてしまったかと覚悟を決めた幸村だったが、怜は潤んだ吐息を溢しながらも、瞳は固く閉じたままだった。
(こんなに感じてるのに無意識かよ。寝てる女に無理矢理…なんて性に合わねぇけど、こんなの途中で止められるかよ。
くそっ、煽る怜が悪いんだからなっ…)
緩く開いた襟元に手を滑り込ませると、怜の柔らかな胸に直接触れる。
微かに汗ばんだ肌はしっとりと吸い付くような滑らかさで、幸村は怜を起こしてしまうかもしれないということも忘れて夢中で揉みしだく。
「はっ、あっ…んっ、ゆきぃ…やぁ…」
「っ…怜っ…」
(あぁっ、もう…我慢できねぇ…こいつ、本当に無意識かよ…何でこんなに可愛いんだ?はぁ…もう…これは可愛過ぎる怜が悪い!そうだ、もう、そういうことにしとく…)
怜の痴態を前に、理性と欲望の狭間で散々葛藤していた幸村だったが、我慢出来ないと言わんばかりにいきなり怜の身体に覆い被さった。