第3章 聖なる夜に ☆*:.。. 徳川家康 .。.:*☆
「おはよう、怜」
「っ、んっ…もう朝?お、おはよう、家康」
優しい呼びかけで朝の訪れに気付いてうっすら目を開けると、すぐ近くに家康の顔があった。
驚いてドキドキしているうちに、ちゅっと頬に掠めるように口付けが落とされる。
家康の柔らかな猫っ毛が頬に触れて、擽ったくて身を捩る私を家康は褥の中でぎゅっと抱き締めた。
「よく眠ってたね。疲れてるの?」
「んっ…ごめん、家康も昨日は遅かったんだよね?私、先に寝ちゃってて…帰ってきたの、気付けなかった」
「俺が先に寝ててって言ったんだから、そんなの気にしなくていいよ。あんたの寝顔が見れて俺は嬉しかったし」
するりと頬を柔らかく撫でられて胸の奥がトクンっと甘い疼きを覚える。
「っ、やっ…寝顔…なんて恥ずかしいよ。絶対変な顔してるし…」
「そんなことない。可愛いかったよ…このまま襲っちゃおうかと思うぐらいに、ね」
ちゅっと額に口付けが落ちる。
「い、家康っ…?」
家康の唇が触れたところがじんわりと熱を持ち、かあっと顔全体が一気に熱くなった気がした。
朝日が射し込む寝所は既に灯りがいらないぐらいに明るくなっていて、障子の向こうからは小鳥達の囀りが聞こえていたが、家康の熱くなった唇は額に止まらず目蓋、頬、口の端へと滑り降り、口付けは顔中に降り注ぐ。
(んっ…擽ったいっ…もう明るいのに…口付けだけじゃ足りなくなっちゃう…)
「い、家康…あのっ…んんっ…」
「何?そんな可愛い声だして…俺のこと誘ってるの?」
「やっ…違っ…あ、んっ…ダメっ…」
「もぅ…そんな顔…誘ってるようにしか見えないから」
ーちゅうぅっ…
「あっ…ふっ、うっ、んっ…」
ふわりと困ったように頬を緩めた家康の顔が近付いて唇がそおっと重なったかと思うと、ちゅうっと吸い付くように求められた。
布団の中で身体に回された家康の腕の力が強まっていくのを感じながら、与えられる熱に溺れるように深い口付けに身を委ねる。
「可愛いね、怜。身体、熱くなってるよ。口付けだけで気持ちよくなったの?」
「んっ…違っ…熱いのは、布団の中だからだもんっ…」
「ふ〜ん…じゃあ、これ…脱いじゃおっか?熱いんでしょ?」
そう言うと、家康は私の夜着の袷にするりと手を滑り込ませ、そのまま少し荒々しく左右に開いた。
「あっ!んっ…やぁ…」