(HQ|R18) セックストイを使わないと出られない部屋
第9章 ディルド
「いちかちゃん、お待たせ。って言っても俺らもまだ下着はつけてるけどね、一応」
「脱いでも良かったんやけど汚いもんがぶら下がってんのも見た目悪いしなぁ」
「……ん、ま、そういうことだね」
この下品な言い方どうにかならないかな。雰囲気ぶち壊しなんだけど…って青筋の一本でも立てってそうだけどここは俺が冷静にリードしなきゃいけない。
「今緊張してるでしょ?」
「はい…」
「うん、分かるよ。だから最初は緊張ほぐそうか」
ベッドに腰掛けるいちかちゃんに後ろに回って抱き寄せて腕の中に収めた。
「体冷えちゃったね…。ごめんね?」
「いえ、大丈夫です」
「本音を言えばこのままキスはしたいんだけど、それはいちかちゃんがしたいって思ってからでいいよ。無理はさせたくないから。でももししたくなったらいつでもキスしてきて、ね?」
「お前ようそんなサムい台詞思いつくな。チューやしたいと思ったら奪ったらええねん」
「だからさ…」
ああ、もう無理だ。ムードを大切にしてとか女の子が欲しがるような言葉で攻めてとか多分宮君には言っても伝わらない。いちかちゃんの前に屈んでじっと見つめる宮君をよそに俺はいちかちゃんの頸に唇を落とした。
「…んっ」
「肩に力入っちゃってるよ?呼吸して。気持ちよくなってきたら素直に声出していいから」
「…っ、はい…」
ボディソープの香りなのか、ふんわりと香る甘い匂いに染まっていく。首筋から耳朶を丁寧に舌先で愛撫し、体のラインを指先でなぞる。ぴくんと反応する体はすぐに逃げようとする。でも俺はそれを許さない。
「ダメだよ?もっと俺に体を委ねてくれなきゃ」
「…ごめんなさい。でも、くすぐったくて」
「それって感じやすいってことでしょ?いいことじゃない?」
「そうなんですか?……こういうお喋りしながらって私、初めてだから」
「じゃあどんなセックスしてたの?」
「……どんなって、…多分、普通、の……、んんっ」
「そっか。じゃあ今日のは刺激がちょっとだけ強いかもね?」
“でも大丈夫。俺がいるから”って付け加える。大抵はこんな感じで攻めてってたら落ちてくれるんだけどな。声、我慢しながらも湿っぽくなってきてる吐息に期待値は上がってる。