(HQ|R18) セックストイを使わないと出られない部屋
第8章 バイブ
「やだって言ったのに」
「うん。ごめん…。途中で止めるのも可哀想だと思って」
「一静のがよかった…」
「ん?」
「一静の、欲しかったの」
「それって俺のでイキたかったってこと?」
「………うん」
その一言だけで理性なんて全部吹っ飛んでしまいそうなくらいに抱えていた感情が最高潮に高まった。
「今からでも間に合う?」
「うん。…早く、きて?」
「このままでいい?」
「……うん」
「全部責任はとるから」
まさか自分がこんな台詞を吐くとは思わなかった。いちかの中のバイヴを引き抜くと粘着質な糸が繋ぐ。バトンタッチするようにそこにあてがいゆっくりと確実に腰を沈めていった。
「…一静」
「ん…?」
「本当はね、ずっと後悔してたの。別れたこと。私のことちゃんと理解してくれていつも優しくしてくれたのって一静だけだったって」
「今気付いたんなら大丈夫。まだ間に合うから」
腕の中のいちかに愛おしさが募る。いちかがいればそれだけで俺の幸せは保証される、そんな確信すらあった。
「ちゃんと俺が迎えに行く」
奥まで温かいものに包まれていく。いちかの息遣いを直に感じて離れていた距離が徐々に縮まっていくように感じる。
「…中、温かい」
「ん…っ」
「今でもいちかへの想いは変わってないから」
涙目のいちかを精一杯抱きしめた。もう余裕なんてゼロだった。俺は最後に自分の欲に忠実に従うだけでいちかの中で快楽を解放した。
もし今のこの瞬間が未来を繋ぐなら俺は最高の選択をしたと思う。