第6章 ラブシロップ

「だよね。ありのままの一を受け入れないと付き合えない。というか付き合う資格ないよ」
「まぁ今はもうどうでもいいけど」
「その子とはえっちした？」
「ああ？」
「だって私たちだって今からそういうことしなきゃいけないんだもん、確認としとかなきゃ」
「……まぁ、やることはやった」
「そっか…。なら大丈夫だね」
「お前は？」
「したよ。ってかまだ付き合ってるしてるよ普通に…」
「……聞くんじゃなかった」
「なんで？」
「変な想像したから」
「私のしてるとこ？」

そりゃそうだろ。嫌でも想像してしまう。どんな顔して受け止めてんのかとかどんな声出して感じてんのかとか気にならない奴はいない。

「一も男の子なんだね」
「なんだと思ってたんだよ」
「幼馴染。一だって私に対してそうでしょ」
「まぁな。……今は違うけど」
「ねぇ、そろそろ熱くなってきた？」
「熱い…」
「私も、熱い…。服も皺になるから抜いじゃうね」
「…俺も」

幼馴染と下着姿でベッドで向かい合う時が来るなんて思ってもなかった。よく知ってるはずなのに知らない女を見ているような感覚に異常なまでに興奮し始めていた。

「一、ぎゅってして」
「なんだよ」
「だってそういう気分なんだもん」

ハグを求めるように両手をあげ、俺もそれに応える。いちかの柔らかい髪の毛がくすぐったい。甘い匂いは変わらないままだった。

「キスもしていい？」
「好きにしろ」
「じゃあ目閉じて」

目を閉じると控えめに唇が触れた。一瞬だけの短いキス。