桜舞い散る君想ふ【ONE PIECE/鬼滅の刃等短編集】
第15章 夏バテはコーヒーの味【トラファルガー・ロー】
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非戦闘員だが底抜けに明るくて天真爛漫なところが気に入って仲間にした
退屈凌ぎに話相手にさせてきたが、別に自分の女というわけではない。
ただそばに置いているだけだが、アイツのおかげで毎日退屈しない。
そんなアイツが最近、どうも食欲が減っていることを懸念していた。冬島から夏島の海域に何度も交互に訪れていたがために寒暖差のせいもあるだろうとは思っていたが、事あるごとにアイスクリームが食いてぇだの冷たいものを要求してくるに完全に夏バテの症状が出始めていた事を危惧していた。
温かいものを飲めと言っても飲まないし、体を温めろと言って上着を着せようとしても言うことを聞かない。
この船で俺に逆らえるのなんてアイツくらいだが、自由にさせすぎていたせいもあり、なかなか大人しくしていてくれないのが困り物だ。
そんなこともあって、次の島に降りるときは冷たい物は控えさせて体を診てやらねぇとと思っていた矢先の出来事だ。
無鉄砲なが俺の目を盗んで勝手に街に繰り出したのでクルーに探させていたのに、船にやってきたのは派手な赤い髪をした別に会いたくもない男だった。
しかも、その腕の中には意識を失ったの姿があったものだから俺は鬼哭を持って船を降りた。
「…そいつを返せ。」
「あ?最初からそのつもりだ。誰がこんな役にもたたねぇ女をクルーにするかよ。」
どうやら本当に興味がないのかそのまま腕を伸ばしてをこちらに寄越してくるユースタス屋に眉間に皺を寄せながらも受け取った。
「大事な女なら首に縄でも括り付けておくんだな。クソみてぇな男が声かけようとしてたぞ。俺が通らなかったらどうなってただろうなぁ?トラファルガー?」
「…礼は言わねぇぞ。もちろんその男はぶっ殺しただろうなァ?ユースタス屋。」
「逃げちまったから知らねぇよ。ぶっ殺したきゃテメェがやれ。じゃあな。」
スヤスヤと眠るは言いつけておいた上着も着てないわ、白い足が惜しみなく投げ出されているわ…
こんな状態で街に繰り出した上にユースタス屋に抱かれて帰ってきたとは。
「じゃあな」と言い片手を上げて去っていくその男を見遣りながらも腕の中のに「お仕置きしねぇとなァ?」と地を這うような声をかけた。