桜舞い散る君想ふ【ONE PIECE/鬼滅の刃等短編集】
第13章 君との合図【トラファルガー・ロー】
自分から誘っておいて体に残る先生の香りを消そうと必死になっていた。
だいすき、先生。
だいすきなの、先生。
だから止められなかったの。
先生は知ってたんでしょう?
だから帰り道はいつも何も喋ってくれなかったんでしょう?本当は後悔してたんでしょう?
でも、私の気持ちを第一に考えてくれたんでしょう?
「…っ、ご、ごめ、なさ…っ、!せ、んせ…!」
涙が溢れ出てくる。
だいすき、先生。
だいすきなの、先生。
でも、やめる。もうやめるから。だから神様、先生のことを守ってください。
しかし、何度洗っても先生の匂いは蘇り、何度髪を洗っても先生の温かい手の温もりは決して消えてくれなかった。
先生の存在はまるで体が記憶しているかのように忘れようとしても忘れられない。それが頭で必死に否定したことが現実なのだと思い知らされるのだ。
***
ーーコンコン
机を二度叩くと"教務主任室に来い"という無言の合図。
だが、今日はいつになってもアイツは現れない。
1年半前突然犬みたいに纏わりついてきたかと思うと、猪突猛進に毎日毎日告白してきた。
家に乗り込んできたかと思うと"処女をもらってくれ"と言う。流石の自分も目が点になったのを今でも覚えている。
半年ほど経ったある日、いきなり部屋で服を脱ぎ全裸で抱きついてきた彼女に最早我慢ができなかった。
むしろ男としては一年半よく我慢したと言いたいが、それ以上に自分で脱いだくせに真っ赤な顔で震えているアイツを見て"可愛い"と思ってしまった。気がついたら手を伸ばして無我夢中で抱きしめていた。
その日、オレはアイツを抱いた。
処女は面倒だと思っていたが、アイツが自分の腕の中で女になる瞬間を見たかった。
そしてその2日前に18歳になったばかりだったのもタイミング的に良かったんだと思う。