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桜舞い散る君想ふ【ONE PIECE/鬼滅の刃等短編集】

第6章 タフショット【三井寿】






「えーえー、さぞかしおモテになるでしょうね。14番さん?」

「悪かったって…。飯奢るから許せよ。」

「高額年俸貰ってるくせに奢りじゃなかったらSNSで拡散させるけど?」

「おまっ…!怖ぇこと言うなって。奢る奢る…。わざわざ来てくれたんだからよ。」


シュートの確率はリーグNo. 1だと言うのにこの男も未だに所帯を持っていないくせに人のことをとやかく言えないだろう。

大体、多くのプロの選手は食事管理やらで早めに結婚する人が多いと言うのにその気配すらないミッチーは自分よりもヤバいのではないだろうか。


彼と行くのは決まって同じ居酒屋さん。
小洒落たところではないが、居心地が良くて肩肘張らない雰囲気が気に入っている。


「じゃ、キャリアハイスコア達成おめでとう!かんぱーい!」

「おー。」


彼のチームは県外で、応援に来るためには泊まりがけで来ないといけない。
試合の翌日は選手も休みなのでこうやって労いの会をするのはいつものことだ。

勝っていたらお互いにハイテンション。
負けていたらハイライトを見ながら敗因を分析したりする。
やっていることは昔と一緒だ。

今日はキャリアハイスコアを達成したが、チームは負けると言う何とも微妙な結果だった。

"チームが勝たないと意味がない"

個人の成績は二の次だと言う彼の言葉はプロである以上は当たり前だが、私はチームというより彼個人の応援に来ているため、こんな日も嬉しいに変わりはない。


「お前、今日もいつものホテル?」

「うん。そう。チェックインしてないからあと1時間で送って?」

「もっと早く言えよ。ったく…」


彼とのおしゃべりはあっという間に時が過ぎる。

バスケが好きなのはお互い様だし、昔に戻ったみたいで話に花が咲くのは仕方ないことだ。

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