桜舞い散る君想ふ【ONE PIECE/鬼滅の刃等短編集】
第4章 靴下はもういらない【トラファルガー・ロー】
──ピンポーン
「あら、ローくん。どうしたの?」
「いますか。」
「いるわよ〜。せっかくクリスマスなのに塞ぎ込んでてね。」
幼馴染で何度も来たことあるの家族は何の躊躇いもなくすぐに部屋に通してくれる。
階段を上がると慣れ親しんだの部屋。
ノックもなしに開けるとふとんが膨らんでいた。
「…おかあさんー?だからごはんはいらないってー。」
「クリスマスはケンタッキーなんじゃねぇのか。」
急にガバッと起き上がるとボサボサの髪にすっぴん、ヨレヨレのTシャツの。
女子力、ねぇな。
「……ろ、ロー…。」
「お前、デートじゃねぇのかよ。クリスマスだぞ。」
何も言わずに下を向く。
そんな彼女を見てベッドの端に座る。
ぼふんと沈むとの髪の香りなのかいい匂いが鼻に抜ける。
「……2週間前にフラれちゃった!テヘヘ。」
おちゃらけるように笑う。
いつもならわんわん泣くくせに無理やり笑っているようにしか見えない。
「ほら、私の良さが理解できなかったのね!逃した魚はデカかったということで!あははは…」
唇を噛んだまま下を向くにため息をつく。
「…そうだな。お前のことを振るなんて大した男じゃねぇよ。」
頭をぽんと撫でてやる。
我慢する必要なんてない。
ここにはオレしかいない。
肩を震わせているを今日は前から抱きしめてやる。
こんなに小さな身体だったのか。
肩にやっと頭が届くかくらいで抱きしめると折れてしまいそうだった。
「……子どもっぽいって、言われて…泣くと、子どもっぽいって、思われるのが悔しくて、泣きたく、ない…んだもん。」
「女の涙を受け止められないような男のことなんて忘れろ。泣けばいいだろ。」
堰を切ったように泣き始めるが自分に縋り付くので夢中で抱きしめた。