• テキストサイズ

桜舞い散る君想ふ【ONE PIECE/鬼滅の刃等短編集】

第4章 靴下はもういらない【トラファルガー・ロー】





ローに追い出されて仕方なくトボトボと家に帰ってくると、彼に電話をかけてみようかと思った。

忙しいと言ってももう21時すぎてるし、いくらなんでも仕事は終わってると思う。


握りしめたスマホを見つめる。


こんな小さな機械でしか繋がれない。
連絡をすることなんて簡単なのに。
ローみたいにすぐに会えるわけじゃない。
でも、こんなに会えないのに向こうから連絡はくれない。
寂しくないのだろうか?



(…かけてみよ。)




スマホの連絡先を出すと通話ボタンを押した。
忙しいなら出ないだろうし、LINEしておけばいい。




「…もしもし。」


思ったよりも早く出てくれた彼に驚いてスマホを落としそうになってしまった。



「あ、え、…ご、ごめんね。だけど…いま、いい?」


「何?手短にしてくれる?」



声のトーンが低くて、機嫌が悪そうだと感じた。
仕事で忙しいのに電話してしまったからだろうか?



「ご、ごめんなさい。あの…クリスマス、ってどうする、かなぁって。」



「平日だろ?仕事に決まってるじゃん。学生じゃないんだから暇じゃないんだよ。と違って。」




確かに今年のクリスマスは平日。
仕事だということは少し考えれば分かることだ。
何をそんな当たり前のことを聞いてしまったんだろうか。
急に考えなしな自分の行動が恥ずかしくなり、顔が熱くなってきた。




「そ、そうだった…!ごめんなさい。しばらく会ってないから、会いたくて…電話しちゃった。ごめんね。」



「…会いたい、か。学生の時はすぐにお互い会えたけどやっぱ環境違うと考え方変わるよな。オレは今のペースでいいんだけど、はしばらく会ってないって思うんだ?」




1ヶ月会ってないってしばらく会ってないとは言えないのだろうか?
いくら社会人だからと言って、付き合っているのに月に一度しか会えないなんて遠距離恋愛じゃあるまいし。


/ 190ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp