桜舞い散る君想ふ【ONE PIECE/鬼滅の刃等短編集】
第24章 桜舞い散る君想ふ【宇髄天元】※
よく考えたら寒いに決まっているのだ。
俺と違って濡れた隊服は未だにの体にぺたりとくっついていて容赦なく体温を奪っていたのだろう。
ぱちっぱちっ…と燃え盛る焚き火の炎にあたってはいても根本的なものを取り除かなければ寒いままだ。
そのままでいたら風邪をひかせてしまう。
藤の家まで行かずにここで雨宿りを提案したのは自分。
きっと最初はほんの出来心。
俺たちの仲なんだからそれくらい気にすんなよという軽い気持ち。
でも、止まらなくなったのもまた自分の耐性の無さが原因だ。
「脱げよ。」
そんな言葉を女子に言うなんて許されないのに。
何の迷いもなくそれは放たれた。
「…は、は…?」
「寒ぃんだろ?ほら、脱げよ。」
「ちょ…え、な、何言ってんの?」
「そのままでいたら風邪ひくだけだぜ。ほら、脱げって。」
俺はのところまで移動すると隊服に手をかけて脱がしていく。
上着に手をかけ、それを問答無用に開くと白いブラウスがお目見えした。
しかし、もちろんそれすらペタリと肌にくっついて下着がくっきりと浮かび上がっている。
それを見て漸く自分がしていることの重大さを気付かされた。
二人きりの洞窟で女子の服を脱がせてどうするつもりなのだ?
──いや、ただ温めた方がいいと思って…
脱がせた後どうするつもりなのだ?
──火で温まればいいと思って…毛布もないのに、か?
考えれば考えるほど己の行動の意味に疑問を抱くしかない。
だが、脱がし始めたそれを元に戻せば同じことだ。手から伝わってくる隊服の冷たさはには酷だ。
それならば多少嫌がられても脱がせてやった方がいいだろう。
俺は自分の隊服も脱ぎ捨てるとに上半身を晒して見せた。
「ちょ、え、な、なに?!」
「悪ぃ。俺も脱ぐからお前も脱げ。風邪ひくだろ?」
「へ、や、な、何言ってんの?!正気?!」
「おー俺は正気だ。派手にな。ほら、早く脱げ。」
俺は問答無用での隊服に再び手をかけるとぺたりとくっついたそれを水分ごと引き剥がした。