桜舞い散る君想ふ【ONE PIECE/鬼滅の刃等短編集】
第24章 桜舞い散る君想ふ【宇髄天元】※
それなのにのため息は止まらない。
「…全っ然女心分かってない。」
「はぁ?嫁達もお前と話したいって言ってんだって。だから今度家に遊びに来いよ。」
「はいはい…考えておくわ。」
さも興味なさそうにそう言い捨てるにムッとして眉を顰める。
何だよ、その上辺だけの返事は。
来るつもりないだろ。
適当な返事しておいて、いざ誘ったらまた断るんだろ。
魂胆が見え見えだ。
「俺の嫁達が苦手ってわけじゃねぇんだろ?」
「当たり前でしょ。三人とも好きよ。」
「じゃあ何で…」
「分かったって…!今度は断らない。これでいい?」
売り言葉に買い言葉のように投げやりなそれに微妙な空気が流れていく。
女心って何だよ。
大体その嫁達が良いって言ってんだから別に良いだろうが。
俺はの諦めたようなそんな態度に益々気持ちがモヤっとしてくる。
「…なーんか、嫌々って感じだな…」
「もーう!何なの?文句があるなら行かない!」
腕を組んでプイッと顔を背けるは珍しい。
いつもは冷静沈着で淡々と鬼狩りをするような奴だ。熱くなったりもしないと言うのに今日はやけにぷりぷりしているように見える。
「何怒ってんだよ。らしくねぇな。」
「別に…怒ってないよ。もういいじゃん。」
「はぁ?どう見ても怒ってるじゃねぇか。俺なんかした?」
の珍しい態度に俺もムキになっていたのだと思う。
了承しているのに拒絶されているようにも見えてどうにも納得できずにいる。
それなのには話を終わらせようとするのでモヤモヤと気持ちが燻っていく。
「…何もしてないわ。本当に…っ、くしゅん!」
しかし、その話はの可愛らしいくしゃみによって終わりを告げた。
よく考えたら当たり前のことなのになぜ気付かなかったのか。
いや、気づいたところで同じ選択をしたかは分からない。
あの時、何故あんなことをしてしまったのかその時は分からなかった。
気づいたのは取り返しのつかないような時。
俺は
の気持ちに無視するようなとんでもないことをしてしまった。