桜舞い散る君想ふ【ONE PIECE/鬼滅の刃等短編集】
第24章 桜舞い散る君想ふ【宇髄天元】※
──ぱちっ…ぱちっ
枝が燃える音がする。
洞窟の中に炎が照らされると、途端にお互いの顔が鮮明になった。
同時に火の温かさにの顔が綻んだところも目に入って俺の顔も緩んだのが分かる。
「天元ってやっぱ元忍なだけあってこういうのに慣れてるよね。」
「まぁな。俺のことを見直したか?ん?」
「……ソウデスネ。」
「ったく、素直じゃねぇなぁ。ちゃんはよぉ…。」
呆れたような肩を竦ませるはチラッとこちらを見るとすぐに火に目を移してしまったけど、その小さな顔が炎に照らされて凄く綺麗だった。
焚き火の周りを囲むように座った俺たちは洞窟の外の雨音を聴きながらどちらかともなく口を開く。
「なぁ…」
「ねぇ…」
途端にお互いの視線が絡み合うと気恥ずかしくてすぐに逸らされた。
「……お先にどうぞ。カミサマ…」
「テメェ、馬鹿にしてんだろ?!」
「別に馬鹿にしてないわ。ほら、早く。」
急かされるようにそう言われるので、仕方なく再び視界にを収めて口を開く。
「…じゃあ、先に話すけどよ…」
「うん。」
「…お前、男できた?」
「…………はぁ?」
それはずっと聞きたかったこと。
恐らく違うだろうと思っていたけど、嫁三人がいる時ののあの遠慮の意味がわからなかったから。
ずっと柱仲間で、親友だと言えるくらい仲の良かった相手の態度が嫁がいる時だけ違えばそりゃぁ不思議に感じるだろ?
それなのには目を瞬かせると首を傾げて呆れたようにため息を吐いた。
「…何かと思えば…そんなこと?」
「はぁ?そんなことっつーけどよ!お前、二人ん時と嫁達がいる時と明らかに対応が違ぇだろ!たまには甘味くらい一緒に行けばいいだろ?」
「それを根に持ってたの?あのね…、嫁と一緒にいる時に他の女に声かけるあんたの方が繊細さに欠けるでしょうが。」
「いやいやいや…お前は仲間だろうが。別に軟派な声かけしたわけでもあるまいし…」
そもそもそんなことをうちの嫁達が気にしてないのだからが気にする意味がないのだ。