桜舞い散る君想ふ【ONE PIECE/鬼滅の刃等短編集】
第3章 ホワイトレディ【トラファルガー・ロー】※
目が覚めたら、トラファルガー先生の腕の中で状況を把握するのに時間を要した。
彼の首筋からはいい匂いがして、初めて見る彼の身体は彫刻のように美しい筋肉で見惚れてしまった。
だが…
わたし、まさか…
ヤった?!
酔った勢いで院内のNo. 1モテ男。
いや、というか街で歩いてても振り返るこの生粋のモテ男だろうトラファルガー先生と…
セックスした?!?!
下半身には鈍い痛み。
部屋の中には行為後の生々しい匂いがまだ残っていて、それな全てを物語っていると感じた。
どうしよう
どうしよう
どうしよう
バレたら院内中の女に殺される…!
ダメだ、なかったことにしたい。
なかったことにしよう。
そーっとベッドを抜け出して、さらっと帰ろうと思っていたのに、腕を掴まれてバッチリ先生と目があってしまった。
「………お、おはようございます…。じゃない、先生、ごめんなさい!申し訳ありませんでした!!私、本当に…ごめんなさい!ご迷惑をおかけしました。」
ベッド上で土下座をして謝る。
頭がめり込むほどの土下座にため息をつかれる。
「…覚えてねェのか?」
「……お恥ずかしながら…全く…!!だけど、分かります。私は先生に大変なご迷惑をおかけしたんですよね、本当にすみません!」
ため息をつかれて、それがとんでもなく恐ろしくて顔を上げられない。
「ごめんなさい、本当に。あの、忘れて頂いて大丈夫です…!先生にご迷惑をかけてしまいすみません…!わ、わたし、帰りますので…!本当にごめんなさい!」
潔く顔を上げるが先生の顔は見れずに服を身に付けながら高級なマンションから逃げるように帰った。
それからしばらく先生とは顔を合わせることもできずに極力会わないようにした。
でも、彼と少しでも接点を持ちたい看護師はたくさんいたので、そう望めば1ヶ月も彼と一言も話さずに過ごすことができた。
遠目からみても彼は本当にカッコよくて、あんな人に抱かれたのにちっとも覚えていないことが何だかもったいなかったなぁ、と思っていた。