桜舞い散る君想ふ【ONE PIECE/鬼滅の刃等短編集】
第24章 桜舞い散る君想ふ【宇髄天元】※
しかし、機会は突然訪れるものだ。
その翌日、俺は蝶屋敷に呼ばれた。
任務の相談と言うことで召集されたのだが、そこに同じように来ていたのがだった。
「お、昨日ぶり。」
「そうね。甘味美味しかった?」
「あーまぁ、な。お前も来りゃァいいのによぉ。」
本当は味なんて分からない。
でも、何となくそれを隠してしまったのはがあまりに普通だったからだ。
ここまで普通に接して来られると逆に詰め寄ることもできないではないか。
不満そうにを見つめてもいつもの笑顔を返されてしまうと、何も言い返せずに言葉を飲み込むことしかできなかった。
「あら、宇髄さん、さん。お揃いですか?」
そんな俺たちのやりとりを知ってか知らずか声をかけて来たのはこの屋敷の主人である胡蝶だった。
「うん。しのぶ、任務の相談って何?」
「それなんですけど…、お二人にお願いしたい任務があってお呼びだてしたんです。」
「俺ら二人に?」
「はい。」
柱二人が出動する任務など十二鬼月関連でしかない。
途端に背筋がピンとして、と顔を見合わせた。
「実はここ最近、若手の隊士の怪我人が多すぎて私がここを離れられないんです。十二鬼月の情報もあったので、柱が行った方がいいと思うんです。」
「そう。分かったわ。なら、私が行ってくるから天元は待ってて良いよ。」
「ちょ、はぁ?!普通逆だろうが!!俺が!!行くからお前は待ってろ!!こーゆーモンは男が行くもんだろ!」
「いや、男も女も関係ないでしょ。だって私、柱だし。」
「だから何だ?あん?俺だって柱だっつーの!」
こうなってくると売り言葉に買い言葉だ。
どちらも譲らない俺たちに胡蝶が咳払いをして、止めてくれたが一向に納得はできない。
「情報では上弦かどうかも分からないんですよ。念のため柱であっても二人で行った方がいいだろうと言うことで貴方達に頼もうと言うことになったんです。」
「…二人でってお館様が言ってんのか?」
「はい。そうです。だからお願いできますか?」
お館様が言っているならば異論はない。
俺たちは鬼殺隊の柱。
お館様の命令には従う。