桜舞い散る君想ふ【ONE PIECE/鬼滅の刃等短編集】
第22章 地球で一番優しいあなた【宇髄天元】
「取付に5日…?!」
「大変申し訳ありません…(以下省略)」
もうどこもかしこもこの急に来た暑さのせいでエアコンを求めてごった返しているのだ。
散々、テレビのワイドショーではエアコンの試運転をするようにと言っていたのに余裕ぶっこいていたのは私と…同じようにエアコンに群がる愚民どもだ!←暑さで口が悪い
というわけでこのクソ暑い日にエアコンがない状態が続くこと三日目。あと二日…。されど二日だ。
よりにもよって夜まで熱帯夜。
氷を頭に乗せて何とか暑さを凌いでいるが、もう頭がぼーっとしてくるの何のって。
しかも暑過ぎて吐き気も催すし最悪な気分だ。
そんな時、テーブルの上でブーッと鳴ったスマホには目を向けると表示された名前に怠い体を起こした。
こんな最悪な日でも好きな人からの電話はオアシスだ。
「もしもーし…てんげーん」
「お、起きてたか?ごめんな、急に声聞きたくなってさ。何してた?」
聞いた?私の彼氏、本当に優しすぎる…!!
暑さで頭がおかしくなってるのも否めないが、天元の声を聞いただけで弱音がまろび出てしまうのも仕方ないと思う。
「何って…暑さに耐えてた…」
「あー、暑いもんなー。ビール冷えてねェの?」
「食欲ない。動きたくない。気持ち悪い。」
「は?お、おい…大丈夫かよ?どうした?」
「エアコン壊れて蒸し風呂状態で死にそう助けて」
「はぁ?!お前な、もっと早く言えよな?!すぐ行くから!待ってろ!」
プツッと切れてしまった電話にもっと声が聴きたかった私は口を尖らせるが、ぼーっとした頭でももうすぐ天元が来てくれるのだと思ったらにやけてしまい、クッションで顔を覆った。
しかし、人間視界が暗くなると急に眠気に襲われるのはよくあることだと思う。
暑さで動きたくないのもあるが、ソファで寝転がったまま一瞬で眠りに落ちてしまったのだ。