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桜舞い散る君想ふ【ONE PIECE/鬼滅の刃等短編集】

第20章 Reincarnation【宇髄天元】





◆◆◆



「天元!じゃあ行ってくるね!お館様のことはよろしくね!」



そう言って鬼舞辻無惨との最終決戦に向かっていった柱仲間の。
俺とほぼ同時期に柱に上がったは気の合う仲間でもあり、たまに体を重ねる肉体関係があった。今の言葉で言うとセフレだ。

綺麗というよりは可愛いという言葉がピッタリの彼女はあどけない笑顔が魅力いっぱいの女で、すぐに欲しいと思った。
四人目の嫁として迎えたいとすら思っていたのにその想いはとうとう言うことはなかった。

帰ってきた彼女は変わり果てた姿で、人目を憚らず亡骸を抱きしめて泣いた。
愛おしいと思い始めたのはいつだったか。

何度もその想いを伝えようと思ったができなかった。が俺のことはセフレ以上に見ることがないと分かっていたからだ。


「天元!私、この戦いが終わったらお見合いでもしてみようと思ってるの!普通の幸せも感じてみたいわ!見てなさいよ〜?あなたに負けないくらい幸せになるんだから!」


そう言っていたのを昨日のことのように思い出す。三人の嫁を持つ自分のことを認めてくれてはいたが、"自分は一人の人に愛されたい"と何度も言っていた。そんなにいくら求婚したとて結果は見えていた。

最期の最期まで俺との関係はセフレ。
だけど、自分だけ愛してしまったと思っていたのは思い違いだったと気付いたのはお館様からもらった俺宛の遺書だった。


『天元へ
この手紙を読んでいると言うことはもう貴方の前にはいないと言うことだね。
正直言うと安堵しています。
これ以上、貴方に抱く感情を認めたくなかったの。私は欲張りだから貴方を独り占めしたくなってしまう。でも、雛鶴もまきをも須磨も大好きだから口が裂けてもそんなことを言えなかった。
もし、輪廻転生が出来たならば、その時は貴方と添い遂げられますようにと願い、私は最期の時を迎えるでしょう。
最期だから言わせてください。
貴方のことを愛していました。
体に気をつけて長生きしてね。さようなら。

また会う日まで。     』



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